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五百四十二番槍 関ヶ原の手柄…手柄…?

信長の野望でお世話になった武将の墓とか行きたくなるんですよね。

住んでる地域的に赤松家でやっているのですが、赤松晴政の墓を訪問したいところです。


菩提寺が廃寺になっており、墓だけ跡地に残されているようです。

この時期の山は草が多くて…野生動物とマダニが怖いんでちょっとためらっちゃうんですよね…。

豊臣秀吉死後、1600年に勃発した関ヶ原の戦い。


石田三成と徳川家康がぶつかったこの戦いで、徳川方として参加していたのが織田有楽斎だった。


織田信長の腹違いの弟である有楽斎は、武功をあげるより頭を使うのを得意とした武将であった。

そんな彼だが、450人という決して多くはない兵を連れ、徳川方として参加しようと長男の長孝とともに馳せ参じていた。


「有楽斎殿!お味方いただきありがとう!今回は本多忠勝の指揮のもとお力添えいただきたい!」


「わかり申した!」


家康からの指示を受け、有楽斎は忠勝隊に加わることとなった。


石田三成隊、宇喜多秀家隊、小西行長隊、大谷吉継隊という西軍の主力たちと転戦を繰り返していたとき、有楽斎の前に現れたのは小早川秀秋の裏切りにより総崩れとなって三成の陣に向かう猛将、戸田重政だった。


「親父!俺、あいつ討ち取ってきます!」


そういうと、長孝は槍を振るい戸田重政の頭を突き刺した。


動かなくなった重政を、長孝の家臣は馬から引きずり降ろして鎧を剥ぎ、首を取ろうとした。

その時だった。


「その首は俺が先に見つけたんだ!だから俺の手柄だ!よこせ!」


突然割って入ってきたのは、有楽斎の同僚である津田信成の家臣だった。


どっちがこの首を取るかで喧嘩が始まってしまった。


そこに駆けつけたのが信成。

「やめろお前たち!同士討ちになるぞ!2人とも既に沢山の首を取ってるし、もう運べないだろ!長孝殿の兵に運んでもらおう」


こうして信成の仲裁により、喧嘩は収まった。


重政の首を見て、かつては友人として付き合っていたものも多くいた東軍諸将は涙を流したのだった。


しかし戦は続く。


「ちょっと戦況を見てきますわ」

有楽斎はそう言うと、馬に乗り戦場をうろつき始めた。


そんなことをしていたら案の定的に見つかってしまった。


「あ!お前織田有楽斎だな!俺は蒲生頼郷!蒲生氏郷から名字と郷の字を貰っただけで別に息子とかそういうのではないぜ!でも猛将だぞ!有楽斎覚悟!」


そういうと、頼郷は有楽斎を斬りつけた。


「いってぇぇ!」


有楽斎は負傷し、頼郷が斬り掛かったのとは反対側に落馬した。


有楽斎の叫び声を聞いた家臣たちがすぐさま駆け付けて、頼郷を討ち取った。


「敵将、討ち取った…あ」


家臣がそう声を挙げようとした時、有楽斎を見た。


「有楽斎様が討ち取ったことにしましょうか。ほら、首取って!これ手柄にして家康様に報告しましょ」


有楽斎は家臣からの提案を受け入れ、自らが討ち取ったと報告した。


「この首は…蒲生頼郷か。有楽斎殿、よくこれほどの猛将を討ち取ったものぞ」


家康は有楽斎にそう述べた。


「いや、ははは…。歳を忘れて槍働きなんぞしてしまいましたわ」


そう言い換えした有楽斎が見たものは、目に涙を浮かべる家康だった。


「こいつは若い時からよく働いて、仕事のできる良い将であった…。本当は生きて仕えて欲しかった…」


そして涙を拭って有楽斎に向き合った。


「武士として、こうなったのは仕方のないこと。せめて丁重に弔ってやってくれ」


有楽斎は頼郷の埋葬を丁重に行うのであった。



戦後。

有楽斎は首級を上げたことによる功績が認められ、3万石を治めることとなった。

長孝は1万石を承った。


「長孝よ。此度の働き見事であった。この戦功を築いた槍を見せてくれ」


家康がそう言ったため、長孝は槍を手渡した。


その時、家康の不注意から手を僅かに切ってしまった。


「その槍…!!村正ではござらぬか!」


有楽斎は慌てて槍を受け取り、確認すると家康が呪いの武具として忌み嫌っている村正だった。


有楽斎はすぐさま槍を叩き割り、ひたすら踏んで木っ端微塵にしたのであった。

織田有楽斎の逸話でした。

東京の有楽町の由来になった人。

織田信長が次男、有楽斎が11男です。


ちゃっかり本能寺の変のときに逃げ延びてたり、大坂の陣の時は大阪城から出てたりで、時勢を読み取る力が物凄く高い人なのかと思います。


武将としては卑怯に見えたり大した活躍をしてなかったりと評価が低くなりがちですが、交渉術に長け、茶の湯を極めながら寿命を全うしたんですから順風満帆な人生だったのではないかと思います。


ある意味勝ち組ですね。


ついで感覚で有楽斎の長男の長孝の逸話も入れてみました。

敵将討ち取ってるのに、味方からがっつり悔やまれてるのほんと可哀想ではありますね。


長益の名で書くか迷いましたが、有楽町の話したいがために今回は有楽斎で行きました。

この時代にこいつはまだこうは名乗ってなかった!みたいなのがあるので歴史書くのは難しいですね。


最近1話あたりの文字数が増えがちなの何とかしたいところです…。

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