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五百三十五番槍 中浦ジュリアンのヨーロッパ訪問記

お久しぶりです。

4年半ぶりの投稿になってしまいました。


北海道から移動し、暫く茨城の関宿城近くで暮らしておりました。

そこからまた引っ越し、現在はあの世界遺産の城のお膝元で暮らしています。


4年半の間に引っ越したり結婚したり色々あってすっかり更新を止めていましたが、周りに史跡だらけの現状、書かないのは勿体ないと筆を執っております。


また再開していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

1582年、九州。

織田信長が天下を治めんとする治世。


信長の庇護を受ける宣教師の一人に、アレッサンドロ・ヴァリニャーノがいた。


「はぇ~金が欲しい…。どうにかしてこの日本でキリスト教を広めるため、ローマ教皇やスペインの王族から支援を受けられぬものか…」


ヴァリニャーノは布教の支援を欲していた。


「キリスト教さえ布教してしまえば、この国も我々のもの…。なのに日本人やたら識字率は高いし戦闘狂ばっかいるし、先祖を大事にするとかもう何なの!!自分が救われればそれでいいじゃん!…いや待てよ?セミナリヨの優等生を連れて行けば、ヨーロッパで日本に布教することの意義を広めつつ、ヨーロッパのいいところを日本で広める立役者にできるのでは?」


そんなひらめきから、ヴァリニャーノはセミナリヨ…日本にあるキリスト教学校の生徒から特に優れた4人をヨーロッパへと連れていくことにした。

これが世にいう天正遣欧少年使節である。


選ばれたのは伊藤マンショ、千々和ミゲル、原マルチノ、そして中浦ジュリアンの4人。

いずれも洗礼名であり、れっきとした日本人。大名の子である。

成績優秀、礼儀に優れるなどの理由で選ばれた選抜隊であった。


道中4人は勉強やチェス、釣りを楽しみながらヨーロッパを目指した。

カツオにタコ、タイ、時には海鳥まで釣り上げる名手っぷり。

船頭が過去に経験がないというほどの好天続き。


彼らの日ごろの行いがよいからに違いない、とは船頭の言葉。


さて、使節団は途中ゴアでヴァリニャーノと別れた後、イタリアでトスカーナ大公の舞踏会に招かれた。


豪勢なダンス会場に圧倒されていた4人に声をかける女性が一人。

「ふふ、可愛い子たちね。どなたか私と踊ってくださらない?」


そう声をかけてきたのはトスカーナ大公婦人。絶世の美女と謳われるほどの美貌の持ち主だ。


「は、はいっ!喜んで!」

そういうとミゲルが婦人の手を取り、踊り始めた。


マルチノとマンショもミゲルに続けと相手を見つけ、ホールで踊り始める。


「あわわわわ…どどどどうしよう…」

この時ジュリアンは極度に緊張していた。


「あ、あの…!ぼ、ぼくと…!踊ってください…!!」


「あら?ぼうや、わたしでええんかい?」


「あ…はい…」


ジュリアンはこの時老婆に声をかけていたのだった。


「あはははは!せっかくならもっと若くて可愛い子に声かければいいのに!」

周囲は笑いに包まれたのだった。



「いやー…初陣を飾ったときみたいに緊張した~…」


舞踏会も終わり、4人は部屋で談笑していた。

マンショが会の感想をそうつぶやいた。


「マンショとミゲルが先に行ってくれたから、俺はあんま緊張しなくて済んだぜ!それはジュリアンも同じだと思ったんだけどなぁ…?」


そういいながら、マルチノがにやにやしながらジュリアンを見る。


「ぼくはダンスが下手だから、わざとご老人をダンスの相手に選んだんだけど…。それで笑いものにしてしまったんだとしたら申し訳ないよ」


ジュリアンは俯いてそうつぶやく。


「ま、まだ初日っしょ!問題ないだろ!今日はもう寝ようぜ!」


マンショが皆を促し、その日は眠りにつくことにした。



しばらくヨーロッパ各地を見回った後、大きな目的の一つ。

ローマ教皇グレゴリウス13世と謁見することになった3人。


そう、3人なのだ。

この時ジュリアンはマラリアに罹り高熱を出していた。


「教皇様にお会いすれば必ず治るから…。医者の外出禁止なんて…聞いてられるか…!そうじゃなきゃ…。この使節にぼくは最初からいらない子だったってことになっちゃう…!」


ジュリアンはそう言うが、体調ばっかりはどうにもできない。


そんな話を伝え聞いたグレゴリウス13世は、ジュリアンを哀れに思いこっそりと面会の時間を作って謁見の場を設けたのだった。


使節と謁見した数日後、グレゴリウス13世はこの世を去ることとなる。


「ジュリアンは…元気になったか…?」

最期までジュリアンの容態を気にしていたという。


大役を終え、一度ゴアに寄りヴァリニャーノと再会し、あったことを報告した4人は日本へと帰国する。


が、時は豊臣秀吉が伴天連追放令が出し、キリスト教へ大逆風が吹き荒れていた。


4人はそれぞれ別の道を歩んでいくこととなるのであった。

久しぶりの執筆で書き方がちょっと違ってるかも?

なろうのフォーマットとかも変わってて困惑しました。


さて、今回は天正遣欧少年使節、とりわけ中浦ジュリアンの逸話でした。

ジュリアンが一番苦労してたんじゃないですかね?

老婆と踊ったっていいだろがい!笑うとか失礼だな!と思いながら書きました。


帰国後の使節4人はかなり苦労したようです。

ミゲルの墓が最近になって見つかったとかニュースになってましたね。

表立ってキリスト教を信仰できなくなったのはかなり痛かったのではないでしょうか?

ヴァリニャーノにはキリスト教布教は侵略の前触れ説を語ってもらいましたが、史実だと多分4人のこと大好きですよ。

弟と対談した時の話を本にまとめてて、内容が「使節の4人がこう言ってた」みたいな感じなんです。

にっこにこで話してるヴァリニャーノが目に浮かびます。


では今回はこの辺で!

城巡りも続けてまして、姫路城のお膝元なので姫路城には何度も足を運んでいます。

有名どころだと御着、安土、置塩、三木、有岡…等々いろんなところ行きました。


関西のおすすめ史跡あったら教えてください!

今後ともよろしくお願いいたします!

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