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五百三十二番槍 スイカ売り決死隊

気付いたら1000ポイント超えてました。

ありがとうございます!

8年越しでの達成です!嬉しいものですね!


今回は戦国ではなく幕末のお話です。

やってることがギャグなので是非紹介したかった逸話です。

幕末の横浜付近をある大名の行列が通り掛かったときのこと。


騎乗したイギリス人4人が遮るように行列の前に出た。


行列の主は薩摩藩主の島津久光。


イギリス人は商人のクラーク、マーシャル、リチャードソン、そしてマーシャルの妻のボロデールだった。


4人は観光帰りにたまたまこの行列に遭遇したのだ。


「おっと!騎乗したままの外国人がいるな!おーい!無礼に当たるから馬から降りて道を譲ってくれ!」


身ぶり手振りを交え、大名行列の戦闘を歩く家臣がリチャードソンたちに道を譲るよう伝えた。


「おっ?端っこを通れってことだな」


解釈を間違えた4人はそのまま道の端を通ろうとした。


しかし、行列は道幅一杯に広がっていたため、思うように動けず気付いたときには久光の籠のすぐ近くまで来ていた。


ここで4人はようやく事態の深刻さに気づいた。


「なんかヤバいぞ!すぐにここから逃げよう!」


リチャードソンがそう言い、馬を反転させた瞬間だった。


「チェストー!!!」


突如刀が振り下ろされ、リチャードソンを切りつけた。


その場で落馬するリチャードソン。


そして次々と斬られるクラークとマーシャル。


ボロデールだけはなんとか命かながら逃げ出すことに成功したが、リチャードソンは絶命、クラークとマーシャルは重傷を負った。


これが世に言う生麦事件である。


これに怒ったのがイギリスだった。


「薩摩は生麦事件の責任として、犯人の処刑とリチャードソンの家族を養うための賠償金25000ポンドを支払え」


そんな条件を突き付けたのだ。


「日本の幕府は臆病で弱腰な奴らしかいねぇ。ちょっと脅しをかければすぐに降伏するだろう」


そんな考えのもと、イギリスは7隻の軍艦を率いて薩摩へと押し寄せたのだ。


しかし、久光が出した回答は弱腰な物ではなかった。


きっちり戦闘体勢を整えた上、イギリス側に文書を送った。


「話がしたいから上陸してきて欲しい」


久光はここで上陸してきた連中を引っ捕らえ人質にし、交渉を有利に進めようとしたのだ。


しかし、そんなことはイギリス側も読んでいて、上陸はなされなかった。


そんな膠着に嫌気がさした久光。


奈良原喜左衛門と海江田武次という家臣を呼び出し、指示を出した。


「お前らあの軍艦に乗り込んで撫で切斬りにし、船を奪え!薩摩の名を世界に轟かせるぞ!作戦はお前らに任せる!」


流石は薩摩隼人というべきか。


この無茶苦茶な話に81人もの家臣が集まった。


指揮を執る喜左衛門が今回の作戦の説明を始めた。


「まずはちっこい船を8隻用意したから、それに乗れ。1隻は偽の文書を持って相手の船に上がる交渉役だ。それ以外の船にはスイカを乗せるから、売るふりをして船に上がりこめ!今は夏だ!イギリスさんもスイカが食べたくなるに違いねぇ!」


「名付けて!スイカ売り決死隊!」


武次が作戦名を宣言した。


そして昼下がりの午後3時。


この突っ込み所とスイカが満載の作戦が決行された。


「なんだお前たちは!?」


イギリス船の通訳が喜左衛門たちを見つけ、声をかけた。


「先の文書への返事を持ってきた!船に上がらせてもらえるか?」


「なら、文書を持った奴一人だけ上がってこい!」


「あいわかった!」


こうして一人が船に上がる。


「文書を出してもらおうか」


「いや、おれは持ってない」


「はぁ?じゃあ持ってるやつが上がってこい!」


「はーい!いっきまーす!」


「文書を出してもらおうか」


「いや俺は持ってないんだ」


「は?文書を持ってる奴が上がってこい!」


「よっしゃ!行くぜ!」


「文書を(ry」


「いや俺は(ry」


このような卑怯な手を使って船に船員を上げていたころ、別の船では…。


「スイカいりませんかー!?」


「え?別にいらない」


作戦が失敗していた。


そもそもイギリスには夏にスイカを食べる文化など無かった。


そんなこととは露知らず、ぶちギレる通訳を相手になんとか時間を稼いでいた喜左衛門たちだったが…。


「作戦は中止だー!撤退するぞ!」


他の船から作戦中止を受け、慌てて撤収した。


このすぐ後に薩英戦争として武力衝突が起きるのであった。

スイカ売り決死隊でした。

ギャグみたいな作戦です。


しかしこれ、スイカが売れるか売れないかで日本の歴史が変わっていたと思うと中々面白いですね。


薩英戦争は中々突っ込み所が多いですから、調べると戦国じゃなくても興味深いところが沢山ありました。


薩摩も相手の旗艦長討ち取ってるんですよね。

船2隻落としてたりと実は大奮闘してます。


イギリスは薩摩の戦闘狂っぷりを甘く見てたのがいけませんでしたね。

この後お互いに実力を認めあって仲良くなっていく辺りもツッコミポイントです。

それが倒幕にも関わってきます。


息抜きがてらのスイカ売り決死隊の逸話でした!

生麦事件から書いてたら長くなってしまった…。

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