五百三十一番槍 不意打ちは成功するか?
今のお仕事を辞めて関東に戻ることになりました。
近所に城やら史跡があるの久しぶりです!
暫くバタバタですが落ち着いたらまた巡りましょう!
剣の達人、宮本武蔵は友人の家に招かれ食事の接待を受けていた。
あの名高い武蔵が来る、しかも自分達が料理を振る舞うこととなり、料理人たちは盛り上がっていた。
そんな中、とある料理人が賭け事を同僚の包丁人に持ちかけた。
「なぁ、賭けしようぜ!剣の達人、宮本武蔵に突然不意打ちを仕掛けたらどうなるのか!討てるか討てないかどっちに賭ける?」
「ほぉ、面白そうじゃん!俺は討てる方に賭けるぜ!」
「よし、なら俺は討てない方だ。お前が不意打ちを仕掛けていいぜ」
こうして、包丁人は武蔵に奇襲をかけることになった。
木刀を握り、武蔵の背後で大きく振りかぶり襲いかかる…!!
「ぐはっ…!!」
倒れたのは…………包丁人の方だった。
武蔵は奇襲に気付くや否や、刀の尻で包丁人の胸を突いたのだ。
「くそっ!まだだ!まだ失敗してねぇ!!」
起き上がりもう一度攻撃を加えようとする包丁人だったが、もはや武蔵にそんな手は通用しなかった。
武蔵は刀で包丁人の右腕を5回ほど打った。
「峰打ちだ。切り落としはせぬ。だが、2度と包丁は握らせん」
武蔵の言うとおり、包丁人の右腕は骨を砕かれており完治せず、包丁を握ることはできなくなってしまった。
この包丁人は職を失ってしまい、興味本意の賭け事は取り返しのつかない結末を迎えたのだった。
宮本武蔵の逸話でした。
意外と珍しいのは峰打ちを使った記録ってところでしょうかね。
因みにこの峰打ちですが、相手を殺さない義のある方法とされていますが…。
当たり所悪ければ普通に人は死にます。骨くらい簡単に砕けます。
また、上手くやらないと刀の方にもダメージが大きいです。
反りと逆方向から力が入るので、折れやすくなります。
実用性の低い使い方なので記録でもあまり登場しません。
峰打ちは片刃の日本刀にしかできず、海外の両刃の剣にはない独特の技かと思います。
そう考えるとオリジナリティーがあって面白くないですか?