五百十一番槍 延期にしよう
話別アクセスというのが見れることを最近知ったのですが、直江状を現代語訳した回のアクセス数が多かったので何でかなーと思っていたら、「直江状」で検索かけると上の方に出てくるようです。
3つめに小説家になろうがヒットするのって、真面目に探してる人からするとちょっと厄介なんじゃ…とも思いましたが、私もわりと頑張って書いた回なので許していただきたいです…。
それと、感想で戦国の水軍の逸話をリクエストしていただいたのですが、どうしてもネタが見つからないので何かご存知の方がいらっしゃったら是非教えていただきたいです。
私の方でも探してはいますが、九鬼の鉄甲船や村上の焙烙玉くらいしか…。
当小説のキャラも水軍から名前貰ってるので私としてもここで一つ水軍ネタを入れたいところです!
小さなことでも「これ知ってる?」ということがありましたら是非お願いします!
時代は大坂夏の陣が終わり、太平が訪れ始めていたときのころ。
「利勝、相談があるのだが」
時の将軍、徳川秀忠は家臣の土井利勝を呼び出した。
「何でございましょう?」
「いや、実はだな、家督を息子の家光に譲ろうかと思う。時期は来年だ」
「おお!これでいよいよ徳川が何代にも渡って政治を取り仕切ると世に示せるわけですな!」
「うむ、そこで利勝。お前は諸大名にこのことを伝えてくれ」
「かしこまりました」
そういうと、利勝はすぐに大名を呼び集めた。
「来年にも秀忠様は家光様に家督をお譲りになられるということだ」
大名たちはざわついたが、みな大賛成。
これはめでたいとあちこちから声が挙がった。
ただ一人、井伊直孝を除いては。
発表が終わった後、利勝は直孝を呼び出した。
「お主、さっきの場でただ一人不安そうな顔をしていたな。何か憂いがあるのか?」
すると、直孝は自分の懸念を述べた。
「まだ先の大坂の戦で大名は疲弊したままです。どこの家も財政は火の車でしょう。そんな今、将軍が変わったらどうなるでしょう。恐らくは、祝儀のためにとこぞって大金が使われましょう。その金はどこから来るのか…民に莫大な負担を強いることとなるでしょう。それで政治が成り立つのかと…」
それを聞いて、利勝の表情が変わった。
「よくぞ申したぞ直孝!ごもっともだ!すぐに秀忠様に伝えてくる」
秀忠はこの意見に納得し、家督を譲るのを延期したのだった。
土井利勝の逸話のつもりでした。
気付いたら直孝の逸話になっている気もしますが…。
ここまで時代が来ると戦国っぽさも無くなってしまいますね。
知ってますよ、皆様が望んでいるのは織田信長が活躍した時代が中心ですよね…?
桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまででしょ?わかってるんですから!
大坂の陣まで来ると有名な武将も世代交代してて誰々の息子とかそういうのが増えてきますからね。
知ってる武将と世代交代した武将が混在してるのが大坂の陣ですから…。
さて、利勝ですが戦は秀忠と一緒に関ヶ原に遅刻したくらいしか経験が無いようです。
しかし、その公正さを大切にする考え方と人格は多くの人から慕われたようです。
因みに、家康の落胤(正室以外に産ませた隠し子)と当時から囁かれていましたが、本人はその噂が大嫌いだったとか。
ともあれ、政治家としてとても優秀だったことは間違いないです。
というわけで、水軍の逸話探してきます!