四百八十八番槍 合元寺レッドクリフの呪い
赤壁って書いたら何の逸話かすぐばれる様な気がしてレッドクリフと無駄にカタカナ入れてみました。
軍師官兵衛でも描かれた逸話です。
まだ何もわかってない若き日の猪的な性格だった長政が大失態した逸話です。
豊臣秀吉の九州征伐が終わり、逆らった大名の処分を決めていた秀吉。
その中には怪力と弓の名手で名高い宇都宮鎮房がいた。
「お、こいつ良い物もってんじゃん!藤原定家が持ってた小倉色紙か!よし、それをよこせ!あとついでに伊予の国に移封な。四国行け」
これには鎮房も怒った。
「ざけんな!先祖代々守り抜いた土地も家宝も差し出せだと!?できるかっ!!徹底抗戦だ!」
鎮房は居城で難攻不落と言われた城井谷城に籠った。
これを鎮圧するために動いたのだ黒田長政。
軍師として有名ななんとか…黒田官兵衛の息子である。
「長政、あの城は普通に戦っても落とせん。策を考えるからしばし待て」
「は?いらねーよ!俺が落として来るから待ってな親父!」
「ここは大殿の言うことに従うべきです!力押しで勝てる相手ではございませんぞ」
重臣の井上九郎右衛門も止めるが、長政は強行した。
「来たな黒田!食らえ!必殺釣り野伏せ!」
城井谷城へと向かう道は一本道で、深追いすると逃げ場がない。
そこに島津が使う釣り野伏せさながらの戦法で追い込む鎮房。
さらに伏兵が黒田の退路を断つ。
絶体絶命の中、命だけは繋ぎとめた長政だったが、痛い一敗を喫することとなった。
そんな時、黒田家を揺るがす出来事が起きた。
お隣の国を任されていた佐々成政がポンコツという理由で秀吉に切腹させられたのだ。
このままでは自分らもポンコツとみなされて腹を切らなくてはならなくなるやもしれん。
もうやり方を選ぶ暇はない。
官兵衛と長政は鎮房を中津城へと呼び出した。
「本領安堵の約束をするから城に来てくれ。あ、兵は合元寺に置いてきてね」
鎮房は言われた通りに一人城へと乗り込んだ。
そこで待っていたのは、殺気に満ちた黒田親子だった。
「鎮房御免!」
こうして、騙し討ちは成功した。
さらに官兵衛は鎮房が置いてきた兵も処分することにした。
この時、寺の壁に飛び散った鮮血は、何度白く塗りなおしても浮かび上がってきたという。
それを隠すため、壁を赤く染めた異様な雰囲気の寺となった。
中津城の方にも鎮房の亡霊が出るようになり、毎晩黒田親子を苦しめた。
「…ほんとは鎮房を騙し討ちなどしたくはなかった。許してくれ…」
この騙し討ちを決行したことを悔やんだ官兵衛は、城内に神社を建てて霊を慰めた。
官兵衛にとっても長政にとっても、黒田を守るためとは言え、一生心に傷を負う結果となってしまった。
合元寺は現存していて、この逸話の時に付いた刀傷とかが柱にそのまま残ってるらしいです。
行ってみたいですね。
幽霊とかは信じない派なのであれですが、官兵衛も長政も、霊として見えてしまうくらいこの騙し討ちを後悔してたんだと思います。
一説には秀吉の指示だったとも言いますし、やりたくてやったわけじゃなさそうです。
そもそも後ろめたさが無ければ悪いことが起きても亡霊のせいになんてしませんし。
赤い壁の寺はそれだけでなかなか不気味ですのでぜひ調べてみてください。
さすがに血痕は現存してませんのでご安心を。
え?伏見の血天井?あれはガチなので調べない方がいいですよ。
さて、逸話のストックも無くなってきたのでまた探してきます。
見つけ次第書くので執筆ペースは見つけられるかどうかにかかっています。
遅くなっても怒らないでください…。