四百七十九番槍 全登出陣
真田丸、いよいよ最終章ですね!
今までの人生を振り返り、大坂へ入る決心をする。
小田原開城はなんとか官兵衛の活躍だし、あんたは何もしてないとまで言われちゃってましたね…。
桐ちゃんここまで良い役割をするとは最初は思ってませんでした。
この後お梅も奮戦しますし、ますます今後が楽しみですが…最後は討死ですし、真田丸終わるのは寂しいです。
あと、名前が「幸村」に変わりましたが、私の記憶では「幸村は後世に徳川幕府に遠慮しながら書かれた創作物での名前」であり、本名ではないと思っていたのですが…。
思い違い?それとも最新の研究?オリジナル?
調べてみましょうかねー。
話しは変わりますが、5周年のイラストをげどー先生から受け取りました。
いやぁ素晴らしい一枚に仕上がっております!
10月13日に掲載予定ですので、是非ご覧ください!
1600年関ヶ原の戦い。
このとき、主君であり西軍副将となっていた宇喜多秀家につき従い、明石全登も西軍の将として出陣していた。
先鋒として戦場に打って出た全登は、福島正則隊と激突。
猛将二人がぶつかり合ったことで、激戦となったが結果としては全登属する西軍は敗北。
敗因は小早川秀秋の裏切りであった。
「小早川ぁ!貴様だけは…ここで刺し違えてでも殺してやる!」
秀家は感情に任せ、生還する望みのない無謀な突撃をしようとした。
「お待ちくだされ!今は退くのです!生きて、大坂へ!さすれば必ず、いつかチャンスがやってきますから!」
全登はなんとか秀家を説得し、大坂へと落ち延びさせた。
自身は岡山の居城へと逃げたが、そこは既に荒れ放題の酷い有様で、東軍の追手も迫っていた。
「ちっ、どこかに匿ってくれる場所は…。そうだ!九州には俺と同じ熱心なキリシタン大名のなんとか官兵衛がいた!あそこなら…。まぁ、官兵衛は東軍だったけど…ここにいてはどうせ死ぬ。なら頼ってみるしか無かろう」
そのころ秀家は八丈島へと流されていたので、もはや全登は主君を失う浪人の身となっていた。
黒田家で全登は匿われた。
キリシタン大名の敵味方を超えた結束の強さに助けられたのである。
しかし、官兵衛が死んで当主が徳川寄りの息子、長政に変わると話が変わる。
キリスト教禁止令を出し、領内での布教は禁止された。
「もはやここもダメか。なら…」
全登は黒田家を出て、各地をさまようこととなった。
そして数年後、豊臣と徳川の仲が悪くなると、大坂城に全登は現れた。
「徳川はキリスト教を禁止しているが、豊臣はしていない。俺が付くのは豊臣だ!」
そう考えての豊臣方への味方であった。
冬の陣では特に出陣することは無くそのまま和議を結ばれてしまった。
そして迎えた翌年夏の陣。
道明寺の戦いへと出陣し、後藤又兵衛とともに奮戦した。
敵は伊達政宗。
独眼竜の名を背負う名将である。
この戦いで、又兵衛が討死してしまう。
「又兵衛!ぜってぇ許さねぇぞ伊達政宗ぇ!」
全登の攻撃は凄まじく、伊達方も混乱状態に陥った。
政宗はその混乱に乗じて、自分より活躍する味方に嫉妬して鉄砲を打ち込んだりしている。
しかし、又兵衛が討たれたことは非常に痛く、自身も負傷したため全登はそのまま撤退した。
そして迎えた天王寺の戦い。
これが夏の陣の最終決戦である。
「我らが狙うのは家康の首ただ一つ!味方が頑張って戦っている!その隙を突いて出撃を…」
「申し上げます!」
300の味方を率いて、家康の首だけを目指して矢のように突撃する、言ってしまえば特攻隊を指揮していた全登に知らせが入る。
「天王寺口にて、真田幸村殿がお討死に!敵方の勢い強く、もはやこれまででございます…。ここも既に蒲生氏郷に包囲されている模様!」
「なん…だと…」
膝から崩れ落ち、絶望する全登。
だが、すぐに顔をあげた。
「なら、ここから脱出するぞ!必ずや生きて帰る!」
そういうと、300の兵で蒲生隊に突撃を仕掛けた。
これは死ぬ覚悟で行う突撃ではなく、生きるためにする突撃。
「これが俺の、最後の攻撃だぁぁぁぁ!!!!止めてみやがれぇぇぇぇ!!!!」
この勢いを蒲生隊は止めることができなかった。
全登はそのまま大坂城には戻らず、行方をくらませた。
伊達に匿われたとも、南蛮に渡ったとも言われている。
明石全登の逸話…というか関ヶ原後の動きですねこれ。
真田丸で出てきたので書きたくなっちゃいました!
本文中では生き残りルートで〆ましたが、討ち死にしたっていう史料もあります。
徳川方の記録なんであれですが…。
この人、活躍の割に名前の読み方すら諸説あるレベルでよく分かってないんですね。
一般的には全登で「てるずみ」ですが、「ぜんとう」って説もありますし、私はぜんとうって読んでます。
わかりやすいので。
さぁさぁ真田丸の今後の展開に大いに期待しつつ、5周年の方も進めていきたいと思います!
げどー先生ともうひと方にもイラスト発注しております。
頼んだの昨日なんですが…。
では、今回はこの辺で!