四百七十一番槍 酒を分けてはくれないか?
明日香「一週間くらい小説書かなかったけど、作者は何してたの?」
紗代「土方歳三の討死場所と墓を調べてたみたい」
明日香「時代が違うじゃん!戦国でしょ!せ・ん・ご・く!幕末調べてどうするの!」
紗代「まぁ、そうよね」
明日香「なんで土方歳三?」
紗代「北海道ご当地アニメ『フランチェスカ』に出てくるかららしいよ」
明日香「知らないし!」
関ヶ原の戦いが起きて、それが終わると、今度は戦後処理。
西軍に付いた宇喜多秀家は、徳川家康の追手から逃れるため、島津家に匿ってもらっていた。
しかし、家康の追及は厳しいもので、島津家は家康に秀家の身柄を差し出した。
「秀家は差し出そう。だが、命は助けてやってくれ。それが条件だ」
島津忠恒は、秀家の助命感嘆をし、なんとか死罪だけは免れた。
しかし、秀家は久能山に軟禁の後八丈島へ流罪。
これが八丈島への島流し第一号である。
「はぁ~…。俺、こんな島でのんびり気ままなスローライフを強いられるのかよぉ…。もう武将には戻れないのかな…」
そう言ってはみたが、案外島での生活は裕福なものであった。
加賀の前田家が仕送りをしてくれたのである。
実は妻が前田家出身で、そのパイプが活きたのである。
そんなある日、八丈島に一隻の船が流れ着いた。
「ここはどこです?」
船から降りてきた男が、秀家にきく。
「ここは八丈島だー」
「八丈島?宇喜多様が流されたと言う…?」
「ん?宇喜多秀家とは俺のことだが?お主はどこの者だ?」
「なんと!ご本人でしたか!我らは福島正則様の遣いで、広島から酒を運んでいる最中でござる」
福島正則は、関東の酒は舌に合わないと、わざわざ遠く広島から酒を買っていたのだ。
たまたまその船が八丈島に流れ着いた。
「関ヶ原では敵味方に分かれたが、それ以前は友だった。どうか、その酒を少し分けてほしい。本州の酒がもう一度呑みたいんだ」
船の男たちはしばし相談する。
日頃から酒にはうるさい正則。
ここで渡したら何をされるかわかったもんじゃない。
しかし、このまま渡さないのはあまりにも哀れだった。
「…わかりました」
こうして、八丈島に酒を置いてから正則の元へ向かった男たち。
「あれ?酒少なくない?お前ら飲んだ?」
案の定正則にばれた。
「いいえ、実は途中八丈島に流れ着きまして、そこで秀家様にお会いしたところ、酒を分けてほしいといわれまして…」
「なに!秀家殿に!?よくやった!秀家殿は先の戦では敵ではあったが、もとを辿れば同じ豊臣の家を支えた仲間。オレの顔も立つわ!ありがとな」
正則はこの男に褒美を取らせたのだった。
福島正則と宇喜多秀家の逸話です。
記録がはっきりしてる中では秀家が八丈島第一号ですね。
敵となったあとでもかつての仲間として気遣う正則の逸話でした。
ただし正則、お前は酒飲むな!
酒癖悪すぎですからね…。