四百五十五番槍 安珍・清姫
就活ヤバス…。
忙しいですよ…。
もうしばらくペース上がりません。
すいません。
928年の出来事。
白河から熊野神社に参拝しようと、一人の僧侶がやってきた。
名は安珍。
イケメン僧侶である。
熊野までの道中で安珍が宿に宿泊した際、これに一目惚れした若い女がいた。
清姫である。
「キャー!イケメンよー!彼のハートは私の物…ふふふふふふふ…」
清姫はその夜、安珍の布団へと潜り込むことにした。
「安珍さま!レッツ同棲スタート!」
「な、な、なっ!?」
突然のことに驚く安珍。
「私とケッコンして!」
「いや、あの…これから参拝する身の私はそのようなことはできません。帰りにまた寄るので、その時に話は聞きましょう」
安珍は疲れて眠りたかったこともあり、社交辞令でその場を突破した。
そして、安珍がその宿に戻ることはなかった。
「安珍…この宿をスルーして行くとはいい度胸ね…。私の愛を試しているのね…!よかろう、追いついてみせるわ!」
清姫は、安珍に騙されたことを知るや否や、裸足のまま飛び出した。
「見つけたぞ安珍!よくもスルーしてくれたな!よくも私を騙してくれたな!」
「ぎゃー!あ、安珍?ひひひひ人違いですよははははは…」
「黙れ!この屈辱、その身で受けろ!」
鬼のような形相で安珍を睨む清姫。
ビビる安珍。
「ひぃぃ~!鬼だ!鬼がいる!熊野権現様!私に力を!」
安珍は熊野権現の力を借りて清姫に金縛りを掛け、隙を作り逃げ出した。
これには清姫、ついにキレる。
「これが私の究極完全体じゃあ!野郎、ぶっ殺してやる!」
自らの体を大蛇へと変え、火を噴きながら安珍を追った。
一方安珍は、日高川を越えたところにある道成寺に逃げ込んだ。
「いいか、私は追われている!追っては船に乗せないでくれ!」
日高川を渡る際、船頭にそう言ったがヘビには意味のないことであった。
いよいよ逃げ道が無くなった安珍は、道成寺の鐘楼の中に逃げ込んだ。
「清姫め…。危ないところであった…。なんだあのヤンデレ。こえーよ。しかし私はこの鐘楼の中。清姫とは言えど開けられまい!この勝負、私の勝ちだ!」
敗北フラグを立てながら、安珍は鐘に籠っていた。
「ほう…。逃げるのを止めて隠れたか…。ならばここで死ね!」
清姫は火を噴いて、鐘楼ごと安珍を焼き尽くしたのであった。
「終わった…!終わった…!これで私も…楽になれる…」
清姫はその足で日高川へと入り、落命したのだった。
それから400年。
鐘を新しく作り直した道成寺は、それを吊り下げようとした。
すると、鐘から白拍子が現れ、ヘビの姿となって鐘を引きずり落としたのである。
ここに清姫の怨念が再び宿った。
寺を挙げて祈祷したらなんとか鐘を吊り下げられるようにはなった。
しかし、寺の付近では伝染病や災害が相次いで起きた。
さらには鐘の音も響かなく、祟りを恐れた道成寺の僧侶は鐘を山に廃棄したのであった。
さらに時は下り、世は戦国時代。
紀伊攻めに出陣しようとした仙石秀久は、道中の山の中で鐘楼を見つけた。
「なんだあれ?」
「あれは、どうやら呪いの鐘だそうです」
家臣にそう言われた秀久だったが…。
「へぇ~!いいね!あれをうちの陣鐘にしよう!」
「あんた話し聞いてた!?」
こうして、清姫の鐘は陣中で大活躍した。
「これ、京に持ち帰ろう!」
呪いの鐘を京都まで持ち帰ろうという秀久だったが…。
「おっも!無理ですよこんなの!」
「じゃあ…捨てていくか」
こうして、途中で破棄された。
その後鐘は近隣住民によって妙満寺に寄贈され、現在では美しい音を響かせているという。
仙石秀久の逸話を書くためにながーい前置きした感じになりました。
呪いの鐘を持って帰ろうとして途中で捨てた話…どうしてこんなに長くなった…。
一応、執筆以外のことはやってますよ!
秀吉が引きずった鐘を見に行ったり…。
そろそろまとめて書かなきゃ…あぁ~時間がない…。