四百五十四番槍 家康のもとに連れて行け!
うわー!久しぶりの投稿です!
他の作品書き始めたり、企業説明会があったりとばたばたしててなかなか書けませんでした…。
すみません、ペース上げるのは厳しいです…。
でも、隙見て書いていきます!頑張ります!
大坂夏の陣で、大阪城が落城したときのこと。
城内には徳川方の兵がなだれ込み、略奪行為が行われていた。
金品はもとより、女性もその対象であった。
「女どぅあー!ぐへへへ!」
「ちっ、見つかったか…!」
自らを連行しようとする兵に対して、抵抗する女性。
「しつけーんだよっ!やろう、ぶっころしてやる」
女性は死ぬ気で抵抗を始めた。
これには兵もお手上げであった。
「貴様…何者だ…?」
「私は明石全登の娘、レジナ!私を家康のもとに連れて行け!」
明石全登と言えば、大坂方の武将で真田幸村隊に付いて家康を追い込んだ猛将である。
その娘の要求と言うことで、家康に差し出されることとなった。
「お前が全登の娘か。全登はどこにいる?」
家康からそう質問されたレジナ。
じつは、父の全登は合戦後行方不明となっており、幕府側は行方を追っていた。
「私は部屋に引きこもっていたので、父の行方はわからない」
「そうか…」
レジナは家康の前でも堂々と振る舞っていた。
「ところで、レジナというのはキリシタンの名前だな?キリスト教禁止令を出したことは知っておるだろう?」
「もちろん知っている。因みに、私の兄は宣教師になったぞ」
キリスト教禁止令の敷かれた今。
しかも敷いた張本人の目の前でわざわざそんなことを言ったレジナ。
死刑になってもおかしくないレベルのことをしている。
しかし、レジナの言葉を聞くと、家康は笑った。
「ははは!大した女子じゃ!気に入った!キリスト教の信仰を許可する!父のために祈ってやれ。それと、どこへでも好きなところに行くがよい。北政所の屋敷に住みたいのなら、そうできるようにしてやるが?」
なんと、キリスト教の信仰を許したうえ、自由を約束したのだった。
「いや、私が恵まれた環境にいては、神に合わせる顔がありません。ですから、自由などいりません」
そういって、家康の申し出を断ったのであった。
明石全登の娘の逸話でした。
全登の逸話はなんか見つからなくてですね…。
全登は「てるずみ」と読んだり「たけのり」と読んだり、あるいは「ぜんとう」と読んだり、いろんな説があるのであえて振り仮名は書きませんでした。
私はいちばん読みやすいぜんとうって読んでますが、少数派で伝わらないことも多いので微妙です…。
娘は正直で気が強かったようです。
因みに、みなさんキリシタンです。