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四百三十番槍 鳴くホタル

レポート終わったーにゃっほい!


暫くは天国のような日々が…続かないんですね~これが…。


再来週にいよいよ学長賞をかけたプレゼン大会です。


ミスターさんは賞を取れるのでしょうか?


欲に目が眩んだミスターさんをなめてもらっては困りますよ!

こーゆー時にしか本気出さないんですから!

ある日、天下人豊臣秀吉は、連歌を習おうと里村紹巴を招いていた。


その席には細川幽斎も招かれていた。


幽斎もまた連歌のプロだったのである。


「奥山に もみじを分けて 鳴く蛍」


秀吉はそう、一句読んで見せた。


これに文句を言ったのは紹巴だった。


「秀吉様、蛍は鳴きません。それに、蛍は夏の季語。椛は秋の季語です」


実は秀吉の句、猿丸太夫が詠んだ、百人一首にも入っている「山奥に 椛踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」という句を参考にした物だった。


これをミスった形で参考にした秀吉に、紹巴は口出ししたのだ。


紹巴に秀吉よりも反論したのは幽斎だった。


「いや、蛍は鳴きます。もう大鳴きです。千載和歌集にも『武蔵野の 篠をつかねて 降る雨に 蛍よりほか 鳴く虫もなし』っていう句があります。蛍は鳴くのです」


そう言って見せたのである。


しかし、そこは紹巴だって連歌の師として呼ばれるほどの人物。


千載和歌集を読んだことが無いわけがなかった。


「千載和歌集ならもう何度も読んだけど、そんな句は無かったぞ?」


「秀吉様のご威光の前では、蛍も鳴くのです」


そう言って、幽斎は笑った。


その場は幽斎のおかげで丸く収まった。



連歌会の後、紹巴は腑に落ちずに幽斎に聞いた。


「なぁ、さっきの句、本当に載ってたっけ?」


「ああ、あれは即興で作ったオリジナルのものだよ。あんまり厳しいことを言って秀吉様が連歌に興味を持たなくなったらどうする。そしたら、あなたも無職になりますよ」


そう言われ、紹巴は返す言葉も無かった。

幽斎が凄い逸話でした。


戦国のオールラウンダー細川幽斎は連歌の才能にも溢れていました。


天皇だったか将軍だったか忘れましたが、その才能を失いたくないと言われて停戦を命令されたことがあったはずです。


武人だけが輝いていたのではなく、文化人も実は輝いていたのが戦国時代でした。


ではでは!今日はこの辺で!

ちょいとお出掛けなので!

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