四百三番槍 火もまた涼し
テスト終わったー!
今日から寝れる!
幸せです!!
いやぁ、テストのできとかどうでもよくなるくらい嬉しいです!
そう、どうでもいいのです!
信長包囲網は武田信玄の死によって崩れ、また、その武田は織田軍によって滅ぼされた。
天目山の戦いである。
これにより、一気に不利になった男がいる。
武田領内で信長に対峙していた、六角次郎。
この次郎という男、もう長い間信長に刃向かっている。
今回ばかりはまずいかもしれない。
そう思い、とっさに恵林寺に逃げ込んだ。
寺と言えば、神聖な場所。
ここなら安全だと思っていた。
「お前が快川紹喜か。ここに六角次郎がいるのは分かっている!あいつを差し出せ!」
次郎がいると知った織田信忠は、恵林寺の住職である紹喜に身柄の引き渡しを迫った。
信忠は、父の信長にこの天目山の戦いの後処理を命じられていたのである。
「断る。六角殿は貴殿から見れば敵かもしれないが、わしらから見れば大切なお客。そんな人を差し出すなどできません」
「黙れ!燃やすぞ!いいのか!?」
「だが断る」
紹喜は頑なに断った。
「…わかった」
信忠はそう言うと、恵林寺に火を放ったのである。
聖地とされる寺に火を放つあたり、父に似たのであろう。
狭い部屋でわめく門徒たち。
「皆落着け!安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火もまた涼し!」
紹喜はそう叫んで、皆を落ち着かせた。
名僧らしい立派な最期だった。
因みに、この時、きっかけを作った六角次郎は寺を密かに脱出しているのであった。
心頭滅却すれば火もまた涼し。
あれを言った人の逸話でした。
実は戦国時代の人なんですよ。
信忠が火を放って処分してますからね。
しかしなぜ本人が逃げられたのか…不思議です。