三百九十五番槍 スッポン相手に刀を振るえ!
セミが鳴き始めましたね。
そろそろ夏です。
梅雨明けが待ち遠しいです!
今年は海で泳ぎたいです!
去年はばっちりクラゲにさされたので…。
今年は刺されてもいいように薬持っていきます。
刺されないように気を付けることはしないミスターさんです。
父と兄が討死し、家督を継いで若き城主となった森長可。
そんな彼のもとに城下に住む民からSOSコールが舞い込んできた。
「可児川の淵になんだかよく分からない異様な怪物が住み着いて、人が食われて困っております。どうかこれを退治してください」
「確かに、民が襲われると言うのはゆゆしき事態だな…。よし、いっちょ俺がバリバリに揉んでやっか!」
「ありがとうございます!」
こうして、長可はその可児川の淵へと家臣を連れて出向くのであった。
まずは相手を見るところから始めよう。
正体はなんだろうか…?
「人を襲うと言うことは恐らくは肉食。ちょっとこれ投げ込んでみ?」
長可はそう言って、羽をむしった鶏を取り出した。
それを縄に括り付け、家臣に投げさせた。
すると…水面が突然暗くなり、盛り上がった。
「お出ましか!」
長可が叫ぶと、そこには3メートルはあろうかという超巨大スッポンが現れたのである。
「なんだ!?遺伝子組み替えた3倍体の固体でさえここまで大きくはならんぞ!?そもそも遺伝子組み換えなんて技術、戦国の世にはあるわけがない!」
余りの大きさに驚き、長可は訳わからないことを叫んだ。
「とにかく、退治してやる!行くぜ!」
そう叫ぶと、長可は刀を抜き、スッポンへと飛びかかって行った。
川へ飛び込む長可。
それに反応して、スッポンも身構える。
カメは動きが遅い、という言い伝えは現実と異なっていた。
「くっそ速いじゃねーかスッポン!」
焦る長可。
そこにすかさずスッポンの攻撃が来る。
長い首から放たれる噛み付き。
これを受けたら一溜りもないだろう。
「甘い!」
長可はすんでのところで身を翻しその流れで反撃に入る。
「喰らえ!」
カウンターの一撃として、脇差を首に突き刺した。
これによりスッポンは大きくのけ反った。
長可はこのチャンスを逃すことなく、次の手を加える。
「これでトドメだ!」
短刀を思いきり振り下ろした。
これが決定打となった。
スッポンはそれっきり、動くことはなかった。
川辺では、家臣たちが心休まる時なく、主君の無事を祈っていた。
その時だった。
スッポンが浮いてきたのだ。
甲羅には、長可が跨っている。
「待たせたな!ほら、どうよ!」
主君の声を聴いたその瞬間、川辺で見守っていた家臣たちから歓喜の声が上がったのだった。
バトルシーンに力を入れようとするも、見事に力が入らず終わった今回の逸話は森長可のものです。
スッポンで3メートルはおかしいですよ!
3倍体とか言ってたのは気にしてはいけません。
簡単に言いますと、繁殖能力を持たない代わりに、普通の3倍体が大きくなるように遺伝子を組み替えた生物のことです。
実際、私はそういうの研究するのが本業なんですよ?
大学生物系ですし…。
さて、見事巨大スッポンを討ち取った長可。
スッポンは噛み付くと離しませんから、一撃でも受けたら大参事です。
因みに、スッポンに噛まれたら水に入れると離してくれます。
スッポンと格闘した末、見事討ち取りました。
武勇に優れたことを表す逸話なのかも知れません。
でも、ちょっと無茶しすぎですよね…?