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三十五番槍 姉川の兄弟喧嘩

リクエスト頂きました!

ありがとうございます!


というわけで、早速書いてみました。



まだまだリクエスト承ります!

「浅井長政と同盟結んで義理の弟にしたぜ!これで安心して朝倉を攻められる!」


自らの妹であるお市を嫁に出す形で、浅井長政と同盟を結んだこの男。


織田信長である。


お市が長政と結婚したことによって、信長は長政の兄となった。


実はこの結婚。

朝倉と仲が良い浅井が、朝倉を攻めた時に敵になっては厄介だと考えた信長の作戦であった。



そして、信長は予定通り朝倉を攻めた。


これが金ヶ崎城の戦いである。


戦いは順調そのもの!


間もなく朝倉は落ちるだろう。


そう思っていた。


そこへ…。


「信長様!お市様から贈り物です!」


家臣が差し出したお市から信長への贈り物。


小豆が入った、両端が縛られている袋。


「……?これだけ?」


「はい…」


信長も意味が分からなかった。


しかし、それから数分後。

意味を理解した。


「浅井長政が寝返りました!」


家臣の知らせが入った。



「うぉー!この浅井長政、最近おにいちゃんになったおにいちゃんじゃなくて、昔から仲良しの朝倉君にお味方いたすぅー!パパがそうしろと言うのでぇー!パパ怖いのでぇー!」


これにより、信長は挟み撃ちにされる形となった。


「なっ…。さっきの市からの袋はこういう意味か…。小豆は織田軍。袋の鼠か…。是非に及ばず!撤退だ!殿(しんがりは猿がやれ!」


羽柴秀吉に殿を任せて信長は撤退した。


これが金ヶ崎の退き口である。



信長は逃げ切り、京都にいた。


御所でのんびりと過ごしていたのだ。


しかし、浅井、朝倉への怒りは確かに心の中で激しく燃えていた。


「まとめてぶっ殺す!舞台は姉川だっ!徳川殿にも応援を要請せよ!」



一方、浅井長政は。


「きっとおにいちゃんは攻めてくる…。こうなったら!朝倉君!協力しよう!舞台は姉川だっ!」




金ヶ崎城の戦いから約90日後。


1570年6月28日。


姉川を挟んで二つの軍が睨み合った。



「家康殿!自ら来て頂けるとはっ!しかも5000の兵を率いるなんて!」


感動する信長。


「あはは!まぁ、今うちの兵は8000ですから、かなり無理しましたが…。信長殿!この戦、絶対勝ちますぞ!」


「勿論!」




片や姉川の対岸。


朝倉景健(あさくらかげたけ!只今参上!はぁっ!」


元気よく現れたのは景健だった。


彼は、朝倉家の当主である朝倉義景の遠い親戚であり家臣である。


「はっ!?景健?義景じゃないの?」


長政はがっかりした。


こちらはあの信長を裏切ってるというのにっ!


何故当主が出て来ないんだよっ!




姉川を隔てて暫く睨み合った両軍だったが…。


「よしっ!行け!」


家康の攻撃命令によって睨み合いは終わった。


姉川の戦いが始まったのだ。


徳川軍は有利だが、織田軍は押されていた。


浅井軍の攻撃を受け止めたのは何と親衛騎馬隊。


本陣が最前線だったのである。


信長は陣を13段に構えていた。


しかし…。


「ははは!どうだおにいちゃん!我が家臣の磯野員昌(いそのかずまさの活躍で、既に11段まで突破したぞ!後2段!覚悟!」


信長まで後少し!

浅井軍の勝利は目前に見えた。


「うぬぬぅ…。長政めがっ!よいかっ!敵にこの首渡すなよ!切ぷ…」


刀を抜いて腹を切ろうとする信長。


それを慌てて止める家臣。


そこに知らせが入った。


「信長様!前衛部隊が帰ってきました!」


実はこの前衛部隊。

浅井の城である横山城を攻めていた部隊。

その数3000。


「よしっ!横槍にかかるのだ!」


信長が命令を下した。


正面から来る浅井軍を、帰って来た前衛部隊と朝倉軍を抑えた徳川軍で、両脇から攻める形を取ったのだ。


これにより形成逆転。


浅井軍は敗走。

朝倉軍は戦意喪失。


長政はなんとか小谷城に逃げ込んで助かった…。



合戦後の姉川は真っ赤に染まっていた。



「長政は取り逃がしたか…。まあ良いわ。今のあやつは無力。簡単に討ち取れるわ…」



信長は、その日のうちに将軍の足利義昭を訪ねた。


この義昭、アンチ信長で、信長包囲網を作ったことで知られている。



「今日、浅井・朝倉をぶっ倒したんよ~。野も畑も死骸だらけだよ~。こんだけの敵を倒せる俺にかなう奴っているのかね~?ねぇ?」


信長は自分の強さをひたすらアピールした。


「ぐぬぅ…。信長め~…!くそっ!」


信長を倒せる自信が無くなっていく義昭であった。



それから3年後。


朝倉義景は家臣の裏切りに会い既に亡き者となっていた。


残るは浅井。


信長は小谷城を攻め落とした。


「私も…。私も一緒に…!長政様と共に…!あの世まで…!」


お市は長政と運命を共にする気でいた。


「ダメだ!そんなことしたら、残された娘たちはどうなる?大河ドラマにならないじゃないか!…懸命に生きよ!市よ…!」


「…はい。生きて、娘を大河ドラマの主役にしてみせます!」


「達者でな…!」


長政、自刃。


これにて、ようやく浅井軍討伐が完了した。


小谷寺には、お市が長政を弔うために植えた松の切り株が未だに残っている。

あんたはどうして最後にふざけるかね?


と言われそう…。


大河ドラマ「江~姫達の戦国~」が今日最終回だったのでつい…。



磯野員昌の活躍についてですが、異論があります。


「浅井三代記」に書かれているんですが、これは浅井の活躍を目立たせるために極端に書いたとか、徳川の活躍を目立たせるために織田軍の劣勢を極端に書いたとか言われてます。


因みに、信長が切腹を覚悟したってのも、これが出展です。


「その日のうちに将軍を訪ねた」って本文では書きましたが、他の資料では「手紙を書いた」になってたりなんだかよく分かりません。


手紙の内容は「野も畑も死骸ばかりに候」。

おっかない手紙だね。


いずれにしても、将軍に自分の強さを見せ付けたことは事実みたいです。




もし長政が信長を裏切らなかったら…については、また次回にでも!




リクエスト作品ということで、いつもより長めに書いてみました。


引き続きリクエスト承ります!

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