三百五十四番槍 七尾城攻防戦
ひなた
「…あの…紗代ちゃん」
紗代
「何?ひなた、どうかした?」
ひなた
「…えと…なんでそんなに物知り…なの?」
紗代
「そうかな?割と普通のつもりでいたんだけど…」
ひなた
「…だって、紗代ちゃん…頭もいいし物知りだし…」
紗代
「ん~…。あ、通学中とかに広辞苑読んでたから!」
ひなた
「…え?」
紗代
「広辞苑いろいろ乗ってて便利!」
ひなた
「…私には…無理…かな」
紗代
「まぁ、嘘なんだけど」
ひなた
「…え?」
紗代
「好きこそものの上手なれってことよ。あ、授業始まるよ」
ひなた
「…うん」
ひなた
(なんだろう…。からかわれたのかな…)
モヤモヤするひなただった。
上杉謙信が、七尾城を守る畠山義綱を攻めた時のことである。
戦はじり貧状態となっていた。
既に攻め始めてから2年が経っている。
「…やるしかないか。行くぞ!水攻めだ!」
謙信は水の補給路を断つ作戦に出た。
どんな大軍だろうと、どんな堅牢な城だろうと、水さえ無ければ簡単に倒せる。
謙信のこの作戦は合理的なものであった。
次第に戦は謙信有利に傾いていた。
気が付けば、もう三の丸まで侵攻していた。
とはいえ、まだまだ守りが堅く、気を抜けばやられる。
これ以上の持久戦もキツイ物がある。
「この勢いで本丸まで制圧するのだ!」
謙信が声を上げた時だった。
ザー!っと音が聞こえる。
水が流れるような音が…。
「そんな…バカな!?」
謙信が見た物は、激しく音を立てて流れる滝だった。
白く輝きながら飛沫を放っている。
「あ、ああ…。まだ…こんなに水が…」
これは謙信を絶望へと追いやるのに充分であった。
「皆、撤退する!これ以上は我が軍も持たぬ!」
そう言って、兵を退こうとした時だった。
「謙信様!あれを!」
家臣が何気なく指差した方を見ると、たくさんの小鳥が滝目掛けて飛んできているのだった。
これでピンときた謙信。
「待て!みなの者!兵を退くのは止めだ!一気にこの城落としてやる!」
「しかし…ああも水が豊富では落とすのにも一苦労では…?我が軍の兵も疲弊しております」
「よく見よ!あの滝、何かおかしくないか?」
そう言われて家臣が目を凝らす…。
「え…?あ!あれって!」
「そう!あれは水ではない!白米だ!白米を水に見せかけようとしたんだ!だから鳥が集まってきたんだよ!」
「ということは…!」
「この城に水は無いぞ!」
こうして、謙信は見事七尾城を落としたのだった。
謙信が七尾城を攻めた時の逸話でした。
面白い逸話無いか検索してたらヒットしました。
米で滝を作る発想が凄いですね。
実際に水に見えるのかな…。
鳥が来たことでバレたようですが、もし鳥が来なかったらまた違う結果だったのでしょうか。
謙信を騙す手前まで行った畠山義綱。
なかなかの手腕の持ち主なのかもしれません。
…ところで畠山義綱って誰?
苗字は知ってる!聞いたことある!レベルです。
あれ?最近になって信玄の肖像画だと思われてたのが実は違って…ってやつは畠山氏でしたっけ?
あー、うろ覚えだよぉ~…。
あと前書きのお話を。
最近各話題が無いのでちょっとした日常を書いてみてます。
あんまり絡んでないキャラ同士でやりたいなーとか思ったのは今日からです。
いきなり失敗。
このパソコン「きょう」って打つと「京」って変換するようになりました。
京の都…とか結構使うからですかねぇ…。