三十三番槍 ザコと小物
今回は私が大好きな逸話です。
さすが片倉さん!
「…参りました」
いきなり出て来て土下座しているこの男。
服装が凄まじい。
なんてったって真っ白な死に装束にでっかい十字架を背負っているのだ。
伊達政宗、豊臣秀吉に恭順する。
「さて、片倉さん。5万石あげるから豊臣に来ないか~い!?」
政宗の重臣、片倉景綱を引き抜こうとしている背の低い猿顔の男、豊臣秀吉。
「…嫌」
景綱は秀吉の誘いを断った。
「断っただと?秀吉様を侮辱したなっ!」
これにキレた秀吉の重臣、福島正則。
すぐに景綱のところに走って行った。
「鳥無き島のコウモリが来たぞ!」
正則はそう叫んだ。
鳥は強い者、コウモリは弱者を指す。
つまり、「奥州は強い奴がいないから政宗なんかでも領土を広げられた」って意味。
カチンッ!
景綱も頭に来た。
「ちんちくりんのリンリン!」
それだけ言い放った。
ちんちくりんは背が低い秀吉のこと。
リンリンは猿の首輪の鈴。
つまり、「猿顔のチビの家来ごときがっ!」という意味。
しかし正則は…。
「な、なんだ?ちんちくりん?リンリン?意味が…わからん!」
景綱をバカにしたつもりが逆に悔しい思いをさせられた正則だった。
ちんちくりんのリンリン(笑)
「鳥無き島のコウモリ」って、信長が長宗我部相手に言った言葉だったような…。
そろそろ松山城に行った時のを書こうかと思ってます。