三百二十一番槍 戦国の梟雄、歴史の表へ立つ
今日の私はすこぶる機嫌が悪い!
と、BASARAの石田三成は言うでしょう。
私だってご立腹ですわ。
誰だよ大阪城の石垣に落書きしたやつ!!
あれは徳川時代の石垣なんだぞ!
豊臣時代なら即刻捕まってどんな目にあってたか、想像は難しくないですね。
徳川時代もありましたねぇ、いろいろ。
詳しくは日光江戸村の一番奥の部屋に行けば見れますよ。
犯人名乗り出なさい!
全国の城好き歴史好きを敵に回したことを後悔するがよい!
落書きダメ、ゼッタイ!
土岐政頼が美濃を支配していたころのお話。
政頼の家臣であり、美濃の守護を担っていた長井長弘という、「長」が二回も付く名前の男がいた。
と言っても、今回の主役はこの男ではない。
長弘の家臣であり、当時まだ無名だった斎藤道三である。
道三はこのころからすでに、内なる野望があった。
美濃を取る。
その手始めにまず、美濃の頭である政頼を、長弘と協力してその座から追放して見せたのだ。
「頭首が変わるよ!」
「やったね道三!」
二人は喜んだ。
次の頭首は政頼の弟である、頼芸であった。
以前から、兄から家督を奪いたいと思っていた頼芸。
願いがかなったのだ。
嬉しさのあまり、道三を昇格させた。
これにより、長弘と道三は家臣と主君という関係ではなく、地位的に同じ立場となった。
「さぁ、美濃を取るぜ!」
息巻く道三が次にターゲットとしたのは、まさかの長弘だった。
ただの油売りだった自分を召し抱えてくれた、言ってしまえば恩人。
そんな相手までターゲットにする道三。
まさに梟雄である。
「なぁ長弘!今日キャバクラ行かね?」
「でも、金が…」
「俺が出すって!ほら、油売ってた(文字通り)から金はあるんだよ」
「そうか?それなら行くわ」
連日これを繰り返した。
いつしか長弘は、酒と女に溺れるダメ人間と化してしまった。
政事は行わなくなり、腐りきって行ったのだ。
周囲の人間も、そんな長弘を評価するものはいなくなった。
「今がチャンス!」
そう読んだ道三は行動に出た。
「なぁ、頼芸さん。長弘が謀反をたくらんでるそうですぜ。なんか、頼芸さんを倒して美濃を支配したいとか言ってたぜ」
もちろんウソ。
道三はガセネタを吹き込んだのだ。
「なんだと!道三、よく報告してくれた!長弘を殺処分せよ!」
「承知仕った!」
道三はこの命を受けた時、ニッと笑うのであった。
「長弘を片付けました」
恩人を死に追いやったことを軽々しく報告する道三。
「そうか、よくやった。お前が長井家を継げ。今守護がいなくなるのは痛いからな。良いな?」
「了解しました」
こうして、道三は長井新九郎を名乗るようになったのだった。
そして…。
「最後の総仕上げだ!頼芸を倒す!」
やはりここでも旗を翻した道三は、ついに美濃を乗っ取るに至ったのだった。
何やらたくさん出てきたので人物紹介。
斎藤道三
よく知られた戦国の三大梟雄の一人。もとは油売りをする商人だったが、売るときに曲芸を見せていたらそれが長弘の目に留まり武士となった。
最終的に美濃を納めることとなる。
長井長弘
道三を武士にした人。道三から見たら恩人そのものである。
しかし道三に裏切られ、酒と女に溺れさせられた挙句、謀反疑惑という事実無根の噂を立てられ殺された悲劇の人。
土岐政頼
長弘の主君。美濃を納めていた人。
長弘と道三に追い詰められて失脚した、道三の下剋上における最初の犠牲者。
土岐頼芸
政頼の弟。主君になる時を今か今かと待っていた。
長弘と道三が兄を追い出してくれたことにより、主君へと上り詰める。
ろくすぽ調べもせず、謀反疑惑が沸いた長弘を成敗するよう命じた。
最終的に道三に追い出された。
こんな感じですかね。
道三が非道すぎる…。
なんで梟雄と言われてるか調べたらこんなでした。
因みに、三大梟雄は北条早雲・松永久秀・斎藤道三です。
さぁ落書き犯よ、誰の上司になりたいのかな?
(前書きネタを引きずっております)