三百十三番槍 い、いもむしなんて…
今回はイモムシ出てきます。
苦手な方はご注意ください。
脳内で想像するとなかなか気持ち悪いので、文字だけを見ることをお勧めします。
…警告はしました。
描写は軽めにしてありますよ。
そこまで心配することは無いと思います。
「ぎゃあー!」
「どうしました!曲者ですか!?お館様!」
ここは躑躅ヶ崎館。
武田信玄の本拠地である。
白昼に武田信玄の叫び声が響いた。
慌てて駆け付けたのは馬場信春だった。
「どうしました!?」
「い、いもむしが…」
「いもむし…?」
「うん。デカいの」
曲者でなくて安心した、と同時に、えらい脱力感に襲われた信春。
そういえばお館様、いもむし苦手だったなぁ。
思い出した信春だった。
翌日。
「いやぁー!」
「ダメです!これくらい耐えてください!」
逃げる信玄を追う信春。
手には巨大イモムシ。
スパルタ教育でイモムシ嫌いを治そうというのだ。
「これくらいで怖がってちゃ、天下なんか取れませんよ!」
「ふぇぇえええ~…」
その後、なんとか信玄を向き合わせることができた信春。
「ほら!大丈夫!触ってください!」
「うえええぇぇぇぇぇ…」
見る見る青くなっていく信玄。
血の気を失っていくのが分かる。
指先まで青い。
血が通ってないような冷たい色をしている。
最後は震えだした。
「ほら!さぁ!」
「ううぅ~…」
信玄はゆっくりと手を出した。
ぷに。
「ぎゃー!」
「ほら!天下を目指しましょう!ほら!」
信春は手の上にイモムシを放り投げた。
「ぎゃあああああー!」
ぷち。
「「あ」」
信玄はさらにイモムシが苦手になった。
イモムシを、手で…。
信春が非道なのか、信玄がチキンなのか…。
前者でしょうね。
いや、イモムシなかなか気持ち悪いですよ。
特にデカいやつ。
シッポみたいの付いてたりするのもいるし…。
あ、私は別に苦手じゃないんですけど、可愛くはないですよね。