表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
363/609

三百十二番槍 行き過ぎた才能

一気に寒くなりましたね。


そろそろコーンポタージュが自販機に並び始めるころでしょうか。

毎年これで冬の訪れを感じます。


ケンタッキーのCMでクリスマスを感じ、グラコロのCMで秋を感じ、お餅のCMが増えてくるとお正月を感じます。


毎年そんなのの繰り返しです。


皆さんには季節の代わりや行事を感じさせる小さなことってありますか?

「段蔵、直江景綱を知っておるな?」


「それは当然」


「なら、やつの家宝である大薙刀を盗んで来い」


「それくらい、軽いです」


「ふむ。腕前拝見だな」


段蔵と呼ばれたこの男。


加藤段蔵、忍者である。


主君の上杉謙信に腕試しと称して、家臣の家から薙刀を盗み出す命を与えられた。


この段蔵、恐ろしく腕が立つことで知られている。


実際、本人が言うように物を盗むのは朝飯前である。


「そんなわけで、今日段蔵が行くから」


「はっ!?え!?ちょ、勝手に何決めてるんですか!?」


一方、勝手に決められた景綱は驚いた。


しかし、家宝を盗られる訳にはいかない。


番犬と自宅警備員を総動員して段蔵を迎え撃つことにしたのだった。


しかし、翌日…。


「ちくしょう!やられた!段蔵め!」


段蔵は見事に薙刀を盗み出していた。


「謙信様、薙刀を盗んでまいりました!」


「…なんと!さすが段蔵」


「あとそれと…」


そう言うと、段蔵が謙信の前に出したのは、小さな女の子だった。


「…誰?」


「なんか薙刀のついでに、ロリっ娘さらってきました」


「誘拐ダメ、ゼッタイ!この変態!」


「いや、たまたま近くにいたんで…」


「そんな昆虫感覚で捕まえるな!どうせなら美少年にしなさい!」


「…え?」


「あ、いや、なんでもない…。それより、ご苦労であった。もう下がってよい。…この子家に帰してな」


「はい」


段蔵の去った部屋で、謙信は考えた。


(段蔵は腕が立ちすぎる。窃盗だけでなく誘拐までするとは…。こやつ、放っておいたらこちらの命を狙われるやもしれん…。いっそ…)


そして出した結論。


やられる前にやれ!


段蔵を暗殺せよ。


謙信は暗殺のための手順を考えた。


しかし、段蔵はそれを知ってしまう。


ここに居ては危ない。


そっと上杉家を出るのであった。



次の仕官先は武田信玄だった。


やはり段蔵は、信玄のもとでもすぐれた手腕を発揮した。


しかし、ここでも同じだった。


出る杭は打たれる。


優れすぎた才能は逆に危険視されるのである。


信玄もそうだった。


段蔵を危険視した信玄は家臣の馬場信春を呼び出した。


「いいか、段蔵は危険だ!やられる前にやるぞ!」


「わかりました!」


今度は段蔵に情報が伝わることはなかった。


そして、段蔵がトイレへと入った時…。


「今だ!隙ありー!」


「何ぃ!?」


段蔵はその秀ですぎた才能が故、67歳で暗殺されたのだった。

加藤段蔵でした。


人間才能が有りすぎると警戒されるんですね。


段蔵も言われたことをやって、女児誘拐なんかしなきゃ警戒されることもなかったでしょうに…。

そうでもないかも…。


風魔小太郎以来の忍者の逸話かもしれませんね。


忍者って探すの大変なんですよ…?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ