二百九十八番槍 間者すら味方に
う~熱が…。
なんか風邪ひきました。
あ~…日曜日バーベキューなのにぃ…。
台風さえ来なければ…。
「殿!間者を捕らえました!」
「ちっ!捕まっちまったか…。いっそ一思いに殺せ!」
家臣が捕らえた間者を、稲葉一徹の前に連れてきた。
「お前が間者か」
一徹は間者の顔を見た。
「そうだよ!お前を暗殺してやろうと思ったけど、夢は破れた。さあ殺してくれ!いっそ死んだ方が楽だ!」
「ほう…。お前、腹は減ってないか?」
「え?」
そういうと、一徹は家臣に料理を持ってこさせた。
「まぁ食え。お前はまだ若い。こんなところで死んじゃいけない」
そして、一緒に食事をしながら間者にあろうことか自身の現状を語ったのだ。
「今は私も家を守るために四苦八苦している状況でな。お主も飯がまともに食えるか怪しいくらい苦労しているんだろう。お互い、頑張っていこうな」
そう言って、罪を問うどころか金銭を渡して帰したのだった。
それから暫く経ってからのこと。
間者が再び一徹のもとを訪れた。
「あの…この前はありがとうございました!あの…俺、向こうの情報を…」
なんと逆に敵の情報を流そうというのだ。
「まぁまぁ、そんなことよりまた飯食ってくか?」
しかし、一徹はその情報を聞こうともしなかった。
そして、結果的にはこの間者を家臣として雇うことにしたのだった。
稲葉一徹の逸話でした。
頑固一徹の由来の人です。
一徹は他人思いの武将なんですね。
他の武将なら極刑にするところでも謹慎で済ませたり。
良い武将ですわ~。