二百九十六番槍 なんだアイツ腹立つわー
楓
「作者さん、今頃北海道にいるはずよ」
すみれ
「へぇー。北海道かぁ。カニ…鮭…?」
楓
「え?それお土産の話?」
すみれ
「そうそう!熊…?キタキツネ…?エキノコックス?」
楓
「また危険なものを…」
すみれ
「帰ってくるのは9日だっけ」
楓
「うん。島行った時もそうだけど、毎回日程勘違いしてるわよね」
すみれ
「それが作者クオリティ」
楓
「飛行機とか乗れるのかしら…?」
すみれ
「そもそも飛行機って知ってるのかな?」
楓
「そっから!?」
大坂冬の陣で、豊臣勢が堺の街を占拠した。
堺を奪還しようと出陣したのが、賤ヶ岳の七本槍の一人でもあり、徳川方として参戦していた片桐且元だった。
且元は200の兵を率いて堺へと向かったのだった。
「こちら片桐且元!救援に駆け付けた!」
そう言って突撃したのだが…。
「なんだ?あいつは?敵か?」
味方であるはずの三右衛門という農民率いる部隊に攻撃を受けた。
「くそっ!農民風情が、しかも味方であるはずの貴様がなぜ攻撃してくる!」
仕方ないので且元も応戦した。
しかし…。
「なんだあの農民…!ちくしょう…」
まさかの敗北。
戦が終わった後、あまりに胸糞悪かったので、徳川家康に直々に三右衛門の裏切り行為を訴えた。
「家康様!こいつ、俺を攻撃してきました!この農民風情が…!」
「ほう。そう言っておるが、三右衛門。それは事実か?」
家康が聞いた。
すると、三右衛門は静かに答えた。
「はい、事実です。しかし、秀吉公の力を得て大名にまでなったくせに、その豊臣家を裏切ったそなたを攻撃して何が悪いのでしょう?そもそも、そなたは家康様の呼びかけにもなかなか応じず、仕方なく味方に付いたんじゃないか。そんなフラフラしてるような奴を攻撃したところで、私は家康様を裏切ったことにはなりません」
そう言って且元をキッと睨んだのだった。
「家康様!こんなこと言ってやがりますよ!これは相当重い罪を…」
「うん、そうだな。もっともだ!言い分、武勇ともに素晴らしいな三右衛門は!こういう農民がいるからこそ、地方も安定しているんだろうな!いやはや天晴!」
家康は三右衛門を称賛し、罪を問うことはなかった。
片桐且元の逸話でした。
農民に負けたのがよっぽどプライドを傷つけたのでしょう。
で、訴えたら負けた。
確か、関ヶ原の戦いで西軍裏切ったのも片桐且元だったはずです。
小早川の裏切りに乗じて、直接西軍の敗因になったはず。
しばらく北海道にいます。
向こうは寒いんでしょうか…?