二百八十九番槍 悪知恵ばかりが身についていく
変な小説を書こうかな~と思いつつ東方やる毎日です。
スポーツものが書きたいなぁ~と。
キックベースとかで。
規模は小さく、やってることは某テニス漫画並みにぶっ壊して書いてみたいものです。
ある日、曾呂利新左衛門という刀の鞘を作るのを仕事とする男が、豊臣秀吉と話し込んでいた。
「ねぇ、新左衛門。わしはそんなに猿顔か?」
「いえいえ、殿下は猿顔ではありません。猿が殿下に似せたのですよ」
「あははは!よろしい!お前はいつ話しても面白いな。何か褒美を取らせる!あ、でも前のあれはだめだぞ?」
「はいはい。では…そうですねぇ…」
新左衛門はちょっと考えた。
秀吉の言う「前のあれ」とは、以前新左衛門に褒美を取らせようとした時のこと。
何がいいか尋ねたことがあった。
すると新左衛門は「一日目には米1粒、二日目は米2粒。三日目は4粒。四日目は8粒と、毎日前日の倍の粒の米をください。これを100日欲しいです」
そう答えたのだ。
「それっぽっち…。よかろう!」
秀吉は軽く答えたのだが…。
「秀吉さま、これ100日後には126穣7650予6002垓2822京9401兆4967億0320万5375粒っていう聞きなれない単位まで使う数字になる計算なのですが…」
「え」
家臣の報告を聞いてあわてて褒美を変えてもらったことがあった。
「そうですねぇ…。今回は褒美はいらないです」
「は?」
今回も突拍子もない申し出に秀吉は困惑した。
「あ、でもその代わり、殿下の耳の匂いをいつでも嗅がせてくださいませんか?」
「は?…変態」
「いや違うから!まぁ、いいですから!お願いしますよ!」
「え?ま、まぁ、褒美がいらないなら許可しよう…」
そうは言ったものの、秀吉には意味がわからなかった。
それからすぐ、秀吉は諸将を集めて軍議を開いた。
「次の攻略対象は西…」
まじめな話をしているとき、新左衛門がやってきて秀吉の耳の匂いを嗅いだ。
そして無言で去って行った。
新左衛門はただこれを繰り返した。
するとその場にいた将たちは噂した。
「おい、秀吉さまに何か意見してたぞ…」
「あれは…新左衛門だな」
「秀吉さまに近づいて気に入られるチャンスを作るのに、あいつを利用すれば…」
その結果、新左衛門のもとには諸将からの貢物が届いた。
「これをあげるからわしの意見を秀吉さまに伝えてください」
そんな手紙が添えられていた。
「なるほど…。新左衛門め。悪知恵がはたらくなぁ。変態じゃなかったな」
秀吉はそういって笑ったのだった。
新左衛門の悪知恵でした。
ってか秀吉も気づきましょう。
100日も米要請されたら…ねぇ。
電卓じゃ計算できないという桁数。
これってつまりどのくらいの量なんでしょうか…?
10の何乗とか…面倒な…。
そして耳の匂いを嗅がせる秀吉の器の大きさ。
いや、嫌でしょう!普通!
などと思ってしまう逸話でした。