二百八十三番槍 さっきのはパフォーマンスだから
テストはまだ終わりません。
山は越えた感じですが、あと2つ残ってます。
終われば執筆ペースも上がるかな?
ネタがあれば…ですけどね(笑)
結構マジです(汗)
「さて、敵はアホの子。武田勝頼だ。いくらアホの子とは言え、武田軍であることに変わりはない。どんな策を取ろうか」
織田信長は、長篠の戦いを前に家臣を集めて軍議を開いていた。
そこには同盟相手の徳川家康の家臣も参加していた。
「はい!はいはい!はい!」
一同手を挙げる。
「そんな小学生みたいな手の挙げ方しなくていいから!はいはいうるさいから!では、酒井忠次、言ってみよ」
信長が指したのは酒井忠次。
家康の家臣である。
「はーい!鳶ヶ巣山砦に奇襲をかければいいと思いまーす!」
「ふん。そんなことは三河とか駿河で100人でやる小競り合いだね!相手は武田だぞ!そんな生ぬるい戦い方じゃダメなんだよ!蟹が甲羅に合わせて穴を掘るという言葉にピッタリだなお前!」
こっぴどく言われて却下された。
「今日はこれしか案が出ないか!ならこれにて解散!」
作戦が立たないうちに、軍議は終了となった。
みんな解散するとき、忠次は信長に呼び出された。
(けっ!まだ説教かよ)
忠次はそう思っていた。
しかし、実際は違った。
「さっきは済まなかった。お前の奇襲案、あれは理にかなった素晴らしい作戦だ」
「え?じゃあ、なぜあのような…」
「もしあの中に裏切り者がいてみろ?勝てるものも勝てん」
「なる程!」
「奇襲については、そちが指揮せよ!よいな?」
「はいっ!」
こうして、忠次の奇襲は実行された。
そして見事に成功させたのである。
「さっすが忠次!家康の片腕だな!後ろにも目があるようだ」
信長は忠次をそう言って褒め称え、革花菱亀甲紋陣羽織を与えた。
「ありがとうございます。しかし信長様、私は後ろで物を見たことありません!後ろにも目があるなんて人外じゃないですか!それはいくら信長様とは言え失礼ですよ!」
忠次は抗議した。
「あっはっは!比喩表現よ!前後の物事を見極める目を持っているってことだよ」
そう言って信長は笑った。
「あ~。そうでしたか。失礼しやした」
「まあよかろう」
そんな会話をしている2人をみて、驚いたのは周囲の雑兵だった。
「忠次さん、信長様の言葉を訂正させようとするなんて…なんて度胸だ!」
「ああ、凄いわ…」
意外なところで評価された忠次だった。
信長が軍議で一度案を断ったって逸話は割と有名かと思います。
秘密が漏れるのを防いだ信長らしいやり方ですね。
今回はその後日談まで書いてみました。
因みに、あのナンチャラ陣羽織(作者とて何でもかんでも覚えてるわけじゃありません)は現存します。
興味のある方は是非ご覧ください!
私も色々見に行きたいなぁ~…。