二百八十一番槍 腹減った…
セミが鳴いて、入道雲が見える。
風鈴が鳴って、遠くで花火の音がする。
…夏っていいなぁ。
海も川も山も、みんな好きです。
今年は何して遊ぼうかな…?
土豪の阿閉貞征に仕えていた藤堂高虎が、2人刺して逃げた。
これによりもう何度経験したか分からない浪人生活となった。
収入がない生活は厳しく、食べる物にも困った。
「腹減った…。ハラー・ヘッターと賢者の飯…。お…?」
ふと顔をあげると、餅屋がやった。
人はいない。
…いつやるか?
今でしょ!
高虎は餅を一心不乱に食い始めた。
「ふう…満腹だぜ!…あ」
満腹になって我に帰ると、マズいことをしたのに気付いた。
すぐに店主に謝った。
「ごめんなさい!食べちゃいました」
すると、店主は笑い出した。
「あははは!よかよか!うちの白餅美味かったか?伝統製法なんよ!」
笑って許してくれた上に、事情を説明したら旅費まで出してくれた。
「ありがとうございます!この恩は忘れません!」
そう言って、高虎は餅屋を後にした。
事実、高虎は後に出世した時、旗に白餅を3つ描いたものを用いている。
城持ちになるために、あの白餅を忘れない。
高虎のシャレの利いた旗だった。
高虎の逸話でした。
無銭飲食したら許してもらえたって話です。
現代だとお巡りさんこいつですと突き出されるので止めましょう。
テスト勉強つらぁ…。
生きてる意味すら疑問に思うくらいつらぁ…。