二百五十一番槍 こんなエビをすくったぜ
これが通算299話です。
我ながらよく書いたものですね。
次回は挿絵が後書きに入ります。
戦があり、和睦した。
これからは仲良くしよう。
そう約束した北条氏政と徳川家康だった。
そのしるしに、お互いの子供を結婚させている。
「せっかく親戚となったし国も近いんだから、今度会いましょうよ!」
家康はそう提案した。
「いいな。じゃあ黄瀬川を挟んで向かい合いましょうよ!」
氏政はそう返した。
「いやいや、北条殿の領地まで行きますよ」
家康はそう返した。
しかし、これが気に食わなかったのが家康の家臣、酒井忠次だった。
「そこまでする必要ありませんよ。和睦したとはいえ、敵ですよ?」
「しかしだねぇ、忠次。今北条との関係を悪くするわけにはいかんのだよ。分かってくれ」
こうして結局は北条領まで入り込むことになった。
その日、宴が催された。
「では私の十八番、幸若舞を舞ってみせましょうぞ!」
家康はそう言って舞った。
幸若舞は戦国武将の間で流行っていた日舞である。
有名どころは「人間五十年~…」である。
家康が舞ったことにより氏政は上機嫌になった。
それに続けと技を披露したのは忠次。
「必殺!エビすくいの舞!とくとご覧あれ!」
忠次はエビをすくう動作を繰り返し舞った。
「あっはっは!今日はすこぶる気分が良い。この名刀を贈呈しよう!」
忠次は氏政から刀を送られた。
すると…。
「こんなエビがすくえましたぞー!」
そう言って刀を掲げ、宴会の空気がより盛り上がったのだった。
家康と忠次と氏政の逸話でした。
因みに家康と氏政が争ってた原因は信長の遺領争いです。
しかしデカいエビをすくいましたね。
凄いです。
名刀の名前までは分かりませんでした。
幸若舞の代表例が「敦盛」らしいですよ。
詳しくは知りませんが日舞のひとつとか…?