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二百三十四番槍 宇治の橋姫

今日はホワイトデーらしいですね。


ああ、妬ましい。


そんなわけで、宇治の橋姫の伝説です。

逸話じゃないです。

伝説です。


実はホワイトデーって書いてから知ったんですよね。


個人的に妖怪とか日本神話とか好きなんですよね。


橋姫で「パルスィ」出てきた人は東方好きなんですね。

時は平安。


公家の娘に嫉妬深いことで有名な女がいた。


「私から彼を奪ったあの女が妬ましい。ああ、妬ましい」


嫉妬に囚われた彼女は、一週間貴船神社に籠って祈った。


「貴船大明神様、私に鬼神薬グレートをください。憎い女をぶっ殺したいのです」


すると、その願いは大明神に届いた。


「そんな薬は無いが、生きながらにして鬼神となりたいなら、姿をかえてから3週間宇治川に浸かりなさい」


大明神はそういった。


「嫌です。それでは死んでしまいます。お腹空きます。風邪ひきます」


「じゃあ諦めろ」


「わかりました。やりますよ…」


そういって女は都に帰った。


その後、すぐに女は姿を変えた。


髪を角に見立てて5本アホ毛を作った。


顔も体も丹という神社を赤く染めるのに使う染料で染めた。

赤鬼のつもりなのだろう。


頭には鉄輪という、化学室でガスバーナーを使いビーカーを温めるのに使う三脚のようなものを逆さにして被った。


鉄輪の三本の脚にはたいまつをくっつけた。

もちろん火が付いている。


口には両端を燃やした松明を咥えた。



夜更けを待ち、女は宇治川へと走って行った。


途中、彼女を見た人たちはあまりの恐ろしさにショック死したという。


彼女は宇治川に3週間身を浸し、鬼となった。

宇治の橋姫の誕生である。



鬼となった橋姫は非行を繰り返した。


まず妬みの対象であった女を憑き殺した。


次にその女の親戚を。


次に男を。


さらにその男の親戚を。


最後は誰でも。


そんな時だった。


渡辺綱が名刀とされる「髭切」を携えて都にやってきた。


気付けば夜。

辺りは真っ暗である。


綱が一条戻橋へと差し掛かった時、女性にであった。


女性は肌が白く、梅柄の着物を着ていて、一人で歩いていた。


「どうしました?夜は危ないですから送りますよ」


綱はそういって馬を降り、女性を乗せた。


「実は家が都の外なんですわ。それでも送ってくれますか?」


女性はそう聞いた。


「まぁいいでしょう。どこですか?埼玉ですか?私の生まれ故郷は埼玉唯一の免許センターがあるところでして…」


綱がそう話していると、女性の姿はもう無かった。


代わりに馬の上には鬼がいた。


「いえ、愛宕山に行きましょう!ときは今 あめが下知る 皐月かな!」


そう言うと鬼は綱の髪を掴んだ。


「それ愛宕神社で明智光秀が読んだ句だろっ!」


そう言いながら綱は髭切を抜き、鬼の片腕を切り落とした。


「うぎゃああ!なんてこったい!」


鬼はそう言いながら片腕を失いながら一人で愛宕山に飛んで行った。


鬼の腕を見ると、女の白い腕とは想像がつかないほどまっ黒くなり、白い毛が生えていた。



帰宅した綱は陰陽師で有名な安部晴明に相談した。


「こんな腕をはぎ取ったんだが、どうすればいい?」


「あ~、1週間休みを取りなさい。その間に私が呪術をもってして鬼を封印しよう」


「んじゃ頼んだ」


こうして宇治の橋姫騒動は収まった。


名刀「髭切」はその後「鬼切」と呼ばれることになった。


因みに、嵯峨天皇の時代と渡辺綱の時代は200年ほど離れているが、気にしてはいけない。

丑の刻参りの人でしたっけ?


鬼神薬グレートはモンハンネタです。


渡辺綱は実在した人です。


埼玉県民が免許を取るなら必ず行かなくてはならない鴻巣市出身です。

鴻巣こうのす」と読みます。

読めないよね~。



鬼切は現存します。


京都の伝説に出てくる地とかを巡るのも面白いかもしれませんね。


一条戻り橋とか。


個人的には完全に東方が出てくる名前なんですけどね(笑)



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