二十四番槍 三河物語の頑固者
今回はですね、今までと比べると知名度は落ちる武将です。
知ってる方は少ないかも…。
「殿は誰よりもずる賢かったから天下人になれたんですよ!」
自分の主君である徳川家康にとんでもないことを言い放ったこの老人。
家康の家臣の中でも「頑固ジジイ」として名高い大久保彦左衛門である。
「…………」
そんなことを言われた家康は、黙り込んでしまった。
さて、それから暫く経ったある日。
家康の統治が上手くいき、平和な日々が続いていた。
「ふう…。ワシももう先が長くない…。今のうちに、ワシの子孫に向けて、教えを書き記しておくかのう…」
そう言って、彦左衛門は筆を取った。
「出世する人間はどんな奴なのかを書いといてやろう。後の時代にリーマンショックが起きても、大丈夫なようにな!」
そして、つらつらと書き出した。
『出世する人間シリーズ
①殿を裏切る人間
②卑怯なことばかりして他人から嫌われる人間
③世渡り上手な人間
④節約が得意な人間
⑤行くあてが無く、出身すらよく分からない人間』
「まあ、こんなもんじゃな…。次は出世できない人間シリーズじゃ!」
そう言うと、彦左衛門は一度置いた筆を再び持ち直した。
『出世できない人間シリーズ
①裏切らないで真面目に殿に仕える人間
②戦だけに生きる人間
③人付き合いが悪く、賄賂とかやらない人間
④物事の損得を考えない人間
⑤殿に長く仕え、忠節を貫く人間』
そして、最後にこう付け加えた。
『我が子孫よ!出世できなくて飢え死にしそうでも、出世を望んで卑怯なことをするなよ!どうせこの世なんか、花火だ!露だ!一瞬で終わるんだ!人は一代だが、名は末代じゃ!名に泥を塗るようなことはすんなよ!』
彦左衛門は静かに筆を置いた。
「これで…大久保家も…安泰…じゃな…」
そして、満足げに眠りについたのだった。
最期の頑固ジジイは、微笑んでいた。
これが今に伝わる「三河物語」です。
作者は大久保彦左衛門という頑固な老人です。
三河物語の中身は本文で書いたやつです。
「裏切る者は出世する」って最初見たときは驚きました。
私には、彦左衛門が言いたいことがよく分からないんですけど…。
三河物語の中身、ひねくれてるんですもん!
まぁ、これが書かれたのは江戸の平和な時代ですから。
戦国時代にこんなことが言えましたかね~?
「裏切る者は出世する」とか書いたらそれだけで謀反人扱いされそう…。
因みに、彦左衛門が三河物語書いてからすぐに亡くなったかどうかは知りません。
本文では物語性を持たせてみただけです…。
本当は「四の太刀」として書こうかとも思ったんですが、止めました。
深く調べるとなかなか良い話になるかも知れませんね~。
本文中の「リーマンショック」発言はなんとなくですので、気にしないでください…。
以上!大久保彦左衛門でした~!