二百七番槍 今は無き義経
乙葉
「メリークリスマス!」
晴美
「この小説の作者はクリスマスのみ予定がないらしいぞ」
乙葉
「冬コミ作戦会議とか大晦日集会とか別の短編とかで忙しいらしいですよ」
晴美
「ああ、クリスマスに徹夜して5時まで起きて短編の編集してたんだってな」
乙葉
「タイトル何でしたっけ?」
晴美
「卒業~シャイニーメモリアル~だって。このタイトルでギャグだってさ」
乙葉
「挿し絵が大量なんですよね」
鬨哉
「結局宣伝かよ!」
乙葉&晴美
「ナイスツッコミ!」
ある時、江戸幕府3代将軍、徳川家光は雑談を楽しんでいた。
話題は源義経が落ち延びようと東北に逃げた、という話だった。
「しかし、義経の家臣。武蔵坊弁慶はスゴいっすよね!最後まで主君に忠誠を誓い、立ち往生を遂げたとは…」
家光の側近はそう語った。
武勇こそ全ての時代に、弁慶の話は輝いて見えた。
「うん。義経には弁慶を始め武勇に優れた優秀な家臣がいたからな!」
家光はそう言った。
すると、徳川家康の時代から仕え、頑固じじいとして名高い大久保彦左衛門が口を挟んだ。
「『人の賢愚は一言で分かる』という言葉があるが…。それは正に家光様のためにある言葉ですな!」
そう絶賛したのだ。
「お?そうか?それは嬉しいな」
喜ぶ家光。
「はい。今だって弁慶のような家臣はいます。三河武士の血は健在です。しかし、義経のような主君はいませんけどねぇ」
彦左衛門は皮肉を言うと、その場を立ち去った。
要は「浮かれるなよ」と言いたかったのだが、家光は暫く落ち込んでいた。
源義経のような主君…ねぇ。
いりますかね?
鵯越えでは家臣に一切手柄を立てさせることなく自ら勝手に奇襲をかけ…。
兄から「朝廷とは絡むな」と言われたにも関わらず二度も朝廷のお世話になり、終いには討伐され…。
兄から命は助けると言われてたにも関わらず切腹し…。
一兵としては優秀ですが主君としては怪しい…。
戦国でいうと武田勝頼に似てるかも。
つまり国を…ね…。