百八十六番槍 逃げろー!
やりました!
ついに成田さんの逸話を発見しました!
次はこの逸話でいきますね!
のぼうの城…。
次の次の日曜日に見に行く予定です!
董卓を暗殺する!
そう意気込む男が一人。
曹操だった。
「こう…物陰からガッてやればきっとイケる…!やったるわい!」
暗殺の瞬間を見計らう曹操。
「今だ!物陰からガッて…。あれ?外した!暗殺失敗!逃げるぜ!」
曹操は董卓の暗殺に失敗。
ついでにこの時顔も見られていた。
そんな曹操が逃げられるわけもなく…。
すぐに牢屋に入れられた。
「くそ~…。こんな防犯カメラも無い時代に…。悔しいです!さてどうすっかなぁ~…」
牢屋で一人考える曹操。
そしてひらめいた。ピカーン。
「おい、俺を見張っている獄使さんや。この俺がなんで牢屋にぶっこまれたか…知ってるか?」
唐突に質問した曹操。
獄使は愛想なく答える。
「知らん。俺にとっちゃどうでもいいことだしな。お前を差し出して懸賞金をいただくのさ。俺にとっちゃ、あんたは金塊なんだよ」
「ふん…。だろうよ。俺は暗殺に失敗したんだよ。俺の首は金塊なんだってな。だったら、それをお前が独り占めしていると訴えてやろうか?ああん?」
曹操は獄使を脅しだした。
そんなことをされれば当然獄使の評判も落ちる。
それどころか命すらも危ないかも知れない。
「それは止めて!いやホントに!上司呼んでくるから!」
「ふん。そうするがヨロシ」
獄使は上司である陳宮を呼んできた。
「お前、何をしてここにいる?」
陳宮は曹操を睨んだ。
「俺はな、逆賊たる董卓を討とうとしただけだ!月に変わってお仕置きよ!」
「マジか!おせじにも美少女とは言えないが戦士ではあるようだな。俺、董卓嫌いなんだよ!もう一度チャンスをやろう。…一緒に行かせてくれ!」
こうして曹操は陳宮と共に逃げることとなった。
当然追手がやってくる。
とにかく逃げなくてはならない。
しかしこのままでは…。
そんな時、陳宮が思い出した。
「あ、この先に呂伯奢っていう私の知り合いが住んでるんですよ!あいつに匿ってもらおうか!」
「おう!そいつは名案だ!」
二人はアポなしで呂伯奢の家へ押しかけ、そのまま匿ってもらうこととなった。
「何もないですが、事情が事情なのでしかたないね。ここでゆっくり隠れてっていいよ」
呂伯奢の厚意でなんとか休むことができた曹操と陳宮。
「あ、でも客人にはおもてなしをしなきゃね!ちょっと買い出しいってくるよ」
そう言い残し、呂伯奢は市場へと出かけて行った。
暫く休んでいた二人。
しかし、何やら不穏な会話が聞こえてきた。
「せっかくの獲物だぜ?足を縛ってだなぁ…。抵抗できないようにして…。亀の甲羅模様になるように縄で縛り上げて…」
「馬鹿かおめぇ。男なら狙うは首のみ!」
「いや。呂伯奢が帰るのを待とうよ。こんな楽しいこと…私らだけじゃもったいないからねぇ!」
くつろぐ二人の顔が青くなる。
「やべぇ…。やられる…!」
二人はすでに同じ答えを胸に秘めていた。
「やられる前にやるぞ!」
二人とも刀を抜いた。
そして…。
台所で話していた声の主たちである呂伯奢の家族を討った。
「はっ!あっけないもんだぜ」
「ザコならあんな奇襲めいたことを相談すんなって話だ。第一、丸聞こえなん………」
曹操は自分の目を疑った。
そこには信じられないものがあった。
…足を縛られてもがくブタ。
「…あ」
やっちまった!
二人は同時にそう叫んでいた。
「ねぇ曹操?どうする?やっちまったぞ…?」
「あぁ…。まさかブタのこととはな…。こんなアニメみたいなことって…」
「あのさ…」
「ああ。皆まで言うな…」
またしても二人とも同じ結論を出していた。
「無かったことにしてやる!」
追手から逃げると同時に、現実からも逃げた二人。
呂伯奢が帰ってくるところを奇襲した。
「…しかたないよね?」
「え?何が?僕たちは何もシテナイヨ?刀を使ってもイナイシ、ナニモシテナイヨ?」
曹操は目を合わせず、カタコトになりながらそう答えた。
「ていうかさ、俺が人を騙すのはいいけど、俺が騙されるのはあっちゃいけないよね!」
曹操はそう言って、この一件を無かったことにした。
うん。無かった。
何もしてないもん。
…騙されてないもん。
早とちりもしてないもん…。
あとがきWITHトランペッターさん。
今回はトランペッターさん協力のもと、三国志の武将にインタビューです!
あとは乙葉におまかせします。
作者より。
乙葉
「そんなわけで、さっそくインタビュー行きましょう!それでは曹操さん!よろしくお願いします」
曹操
「おう。よろしく頼む」
乙葉
「では、さっそく。一番活躍した戦いはなんですか?」
曹操
「官渡の戦いだな!袁紹を討ち滅ぼしたんだが、あれは俺の戦略が輝いた瞬間だね」
乙葉
「どんな策をとったんですか?」
曹操
「兵糧攻めだ。本隊ではなく兵糧補給部隊を殲滅したんだ!」
乙葉
「それはお見事です!では、趣味はなんですか?」
曹操
「文学をたしなんでいる。俺は魏の国を治めながら文学もやってるんだ。本も書いたぞ!建安文学を打ち立てたのだ!」
乙葉
「じゃあ、一番信用してる人は誰ですか?」
曹操
「夏候惇だな!旗揚げからずっと一緒なんだ!」
乙葉
「ここだけの話、嫌いな人は?」
曹操
「嫌いではないが…。強いて言うなら司馬懿だな。あいつ、家臣ながら才能が怖い…」
乙葉
「あ~。豊臣秀吉が黒田官兵衛を見るのと同じ目ですね」
曹操
「え?知らな…」
乙葉
「『そうそう!』って答えを期待してたんですけどねぇ~…」
曹操
「あ、ごめん」
乙葉
「いえいえ。ところで、曹操さんは信長に似てるところが多いですよね!」
曹操
「そうか?」
乙葉
「そう言われてますよ。求賢令とか、小さいころうつけだったり…」
曹操
「そいつとは話が合いそうだな!」
乙葉
「ですね!では、ありがとうございました」
曹操
「お疲れさん!」