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まだまだ息抜きしましょうか 嗚呼愛しの御犬様

乙葉

「先輩!お久しぶりです!修学旅行どうでした?」


晴美

「久しぶりかなぁ?楽しかったぞ!かなり!」


鬨哉

「いいですね~。関西か~。たこ焼き食べました?」


晴美

「勿論!はい、これ二人にお土産!」


乙葉

「わぁ!キーホルダーですか!大阪城ですか?」


晴美

「うん。大阪城で買った。鬨哉と同じので揃えたからな!」


乙葉

「ありがとうございます!ヤマトとお揃いだって!」


鬨哉

「なっ…!…先輩、ありがとうございます」


晴美

「どういたしまして」

「子供、老人、獣、鳥、魚、卵、ハエやカ、ノミにシラミ…。みんなみんな生きているんだ!友達なんだ!だから殺しちゃダメ!絶対!病気の牛は看病してあげて!車で犬を轢かないように!ボウフラが死んじゃうと可哀そうだからどぶの水も撒いてはいけないよ!」


突如出された江戸時代最大のインパクトを誇る法令。


生類憐れみの令。


5代目の徳川綱吉が出した有名な法令である。


中でも、綱吉は犬を大切にした。


それはもう、犬の戸籍や出生、死亡届を義務付けるほど。


自らが戌年だから。


「江戸中にあふれる8万匹の野良わんちゃんよ!あなた様方のために中野に豪邸を建てたんだよ!」


この法令を出した時、綱吉は江戸の中野に犬専用のビップルームを建てた。

10万坪という広大な犬小屋で、江戸からは野良犬がいなくなった。


それに伴い、明らかに江戸の衛生は改善されたのだ。



しかし、人間に対しては処罰は厳しかった。


「おいお前!蚊つぶしたろ!ほっぺに血がついてるんだよ!そっちのお前はなんで井戸に猫が落ちたのに気付かないんだ!」


そんな理由で、町人は島流しの刑にあった。


さらに…。


「犬の喧嘩を止めなかったな!処刑してやる!」


「犬を殺したな!首を晒せ…!」


「鳥を殺したな!獄門にしてやる!」


こんな感じでどんどんエスカレートしていった。


しかしこれも最初の最初の三年間のみ。


三年を過ぎると、処罰者はめっきり減った。



「綱吉様…。なぜ武士にだけこんなに厳しいのですか…?」


綱吉の家臣が聞いた。


生類憐みの令で処罰された人間は実は69人しかいない。

しかも最初の三年間に集中。


さらに半分以上が武士だった。


馬を斬りつけた町人は無罪なのに武士は江戸追放だったりと処罰に明らかな差があるのだ。


「ん?それはな、最近の武士は辻斬りとか打ち壊しとかやって荒れてるじゃないか。しかも犬を食べれば傾奇者になれるとかで、わんちゃんを殺すんだ!だから武士に灸をすえてやったまでだ」


「では、武士にだけこの法令を適応すればいいのでは…?」


「いや、鳥を捕るためには銃を使うだろ?だったら、鳥を捕るの禁止にしちゃえば、農民は銃を使わなくなるから治安が守れるんだ」


「…!なるほど!」


「今はもう戦国の世ではないんだ。それを世間に教えてやらなければならない。人を殺して出世する時代はもう終わったと…。それにな、キリシタンは肉を食うから、隠れキリシタンの発見もできるんだよ」


綱吉はかすかに笑いながら言った。


「ま、犬の餌に米や味噌や干しイワシをあげてたら非難が来たのは事実なんだが…。処刑場で人を食わせるよりマシだろ」


中野の犬小屋での餌は米と味噌と干しイワシ。


危機の中にあってそれはご馳走であった。


「そういえば綱吉様。水戸の徳川光圀様より献上品が届いています」


家臣が思い出して伝えた。


「なんだ?あやつが献上品とは…?」


家臣が差し出した箱をあけて綱吉は言葉を無くした。


「犬の…毛皮か…。あやつらしい皮肉だな」


綱吉は光圀を咎めることはなかった。




生類憐みの令発令から22年。


綱吉は病に倒れた。


「生類憐みの令だけは…残してくれ…」


跡継ぎの家宣にそう懇願した綱吉だったが…。


「いやだ」


綱吉の死後、即座に法令は解消された。


因みに、これが家宣最大の功績とされていることは秘密である。

生類憐れみ令は悪い法令とは言い切れないよ!ってお話でした。


ま、物は言いようですよね。


綱吉は勉強家だからそんな変な法律を考え無しにやるわけないよね!というのが根拠らしいです。


あとは結果論かな。



これ書いてる途中にテストがあったりレポート無くしたり大変でした…。



最近戦国書いてませんがネタ切れってわけじゃないですよ?


因みに次は三国志の予定です。



いや、「のぼうの城」公開記念に成田長親の逸話を探してんですが…。


見つからないのです。


見つからなかったら三成かな?


因みにあのお話は舞台が忍城です。


すでに訪問記にまとめてありますので、興味がありましたらどうぞ!

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