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歴史絵巻第十二幕Let's Go史跡巡り~京都大阪修学旅行・三、四日目編~

右手の手首にデカい水膨れができました。


ミスターです。


バイトで火傷しました。


やっぱすぐに冷やすべきでしたね。


しばらく右手を庇いながら生活しますわ。


しかし熱かった~…。


揚げ物の油が飛んできたんですわ…。

「今日はまず方広寺。そしてすかさず豊国神社と耳塚。ついでに六条河原。そして戦国無関係だけど鈴虫寺。最後に大阪城行って、夕飯まで済ませてくる…と」


晴美が今日のスケジュールを確認中。


「あのさ…晴美あのさ!」


楓がジト目で晴美を睨む。


「おー、楓。おはよ!」


「あのさ…。今何時だと思ってんの!?」


大声を出した楓。


晴美はいつも通りの表情で答える。


「4時!」


「早すぎ!どう考えても!」


「そか?起こすつもりはなかったんだけど…」


「つもりは無くても電気煌々と付けられた上に携帯の目覚ましじゃ自然と起きちゃうわよ…。ふわ~…」


楓は口を抑えて大あくび。


「あはは!ごめんごめん!」


反省の色が伺えない晴美。


「仕方ない。私も準備しようかしら。二度寝はヤバそうだし…」


因みに、すみれは未だに寝ている。


「そか?んじゃ、私はもう一度寝るから6時に起こして~…」


晴美はベッドに潜ってしまった。


カチン。

楓さん、ちょっと怒った。


さっと巫女服を着て、幣(ぬさ。木の棒の先に白い紙がついたアレ)を持ち…そして。


「それっ!」


幣を一振り。


すると、何となくモヤモヤした白い煙のような物が魚の形を徐々に作り、晴美に飛んでいった。


「うわっ!冷たっ!な、なんだ!?」

晴美が飛び起きた。


そして、やたらニヤニヤしてる楓を見て確信する。


「楓の仕業か…」


「うん。ちょっと淡水魚の霊を降ろしてみた」


挿絵(By みてみん)


「冷たかったぞ…」


ま、魚じゃその程度よね…。


口には出さなかったが、密かに楓はそう思っていた。


結果として、晴美は二度寝しないまま起床時間を迎え、すみれを起こして朝食を済ませた。


朝食が済んだらいよいよ班行動。


「よーし!まずは方広寺だ!」


晴美の掛け声ん皮切りに、三人はホテルを出て歩き出した。


「まさか歩きとは…」


「バス使うほどの距離でもないからねー」


徒歩移動により、楓は巫女服姿を街中に晒すはめになった。


駅から歩いて15分程。

方広寺に到着。


「おー!あったあった!あの鐘だ!」


小さな境内に入った瞬間、晴美が走り出す。


「あ、待ってよハルミン!」


「あぁ、ちょっと!」


すみれと楓も走り出した。


鐘の、一部を見つけて晴美が足を止めた。


白いチョークのようなもので四角く囲われた部分が2ヶ所ある。


「君臣豊楽…国家安康…。へぇ、鐘の下にはかつての方広寺の出土品が置いてあるのか…」


「ねぇ晴美。さっきの四字熟語は何…?呪文?」


楓が聞いた。


「いや、違うよ。昔、大阪冬の陣という戦いがあってだな。その引き金になったのがこの四字熟語2つなんだ」


「これが…?」


よく分からんと、顔で表すすみれ。


「うん。国家安康…『家康』という文字の真ん中に『安』が入って二つに切れてるだろ?でも、君臣豊楽…『豊臣』という文字は繋がってるじゃん?つまり、これは家康を切れば豊臣は安泰って意味だと家康が…」


「何それ?言いがかりじゃん!」


「確かに無理があるわね」


憤るすみれと苦笑する楓。


「ま、これは金地院崇伝(こんちいんすうでんが家康に入れ知恵したんだけどね。家康としては豊臣を潰す理由が欲しかったし、丁度良かったんじゃん?」


「家康サイテー!」


「それが最近はそうとも言い切れないんだ」


すみれをなだめるように晴美が語る。


「これ作ったのは豊臣側の坊さん…文英清韓(ぶんえいせいかんって人なんだが、所々に『家康』とか『豊臣』とかわざと入れたことを自白してんだ。本人は祝った積もりだと言ってるけどどうだか…?」


晴美が話し終えると、それまでじっと鐘を眺めていた楓が口を開いた。


「家康はこの鐘嫌いだったんだよね?不吉だもんね。じゃあさ、なんでこれここにあるの?」


この紅白が言うことは最もなのだ。


不吉なものなら普通は潰す。


妖刀「村正」もその文字が消されたように…。


「理由は知らないけど、それこそが家康の策が言いがかりだったことの一番の証拠だと思う」


「結局言いがかりなのね」


「うん…」


一通り説明を終えたとこで、晴美は楓に頼んだ。


「霊降ろして!」


「へ?誰の?さっきのナンチャラっていうこの鐘作った人?」


「違う違う!ここは淀君の霊の目撃情報がだね~」


「ああ、淀君ね。わかったわ。大河ドラマの人だもんね。長女よね」


「そうそう」


話してる間にも楓は準備に取りかかる。


幣をもち体の正面に真っ直ぐ構えた。


そして…。


「降霊術-(かぜ-」


そう叫ぶと同時に、一陣の風が吹いた。


白っぽいモヤがみるみる人型を形成した。


それから十秒ほどでモヤが女性だとハッキリ分かるようになった。


これが降霊術らしい。


「淀君?」


現れた女性に晴美が話しかけた。


「おー、いかにも!」


タバコを片手に答えた霊。


「やっぱり…。禁煙したほうがいいすよ?」


「あんたも殿下と同じこと言うんだね…。しかも初対面で…」


すみれが晴美の肩をつついた。


「ねね、淀君って愛煙家なの?」


「そうだよ。日本初の女性愛煙家。それも相当なヘビースモーカー」


「いやぁ、照れるねぇ」


誉めてないって…。


「ヘビースモーカー過ぎて秀吉が煙草禁止令出したくらいなんだよ」


晴美がすみれと楓に伝えた。


「そういや、淀君。秀頼は大阪城落ちた後は何処へ?九州?台湾?」


「うっ…それは…秘密。あんまり通説から外れたこと聞かれると答えに困るんだよ…」


「あと、偶然天守に大砲が当たったからって和睦するのはどうよ?あんな命中率悪いのがさ~」


「うるさいわね!侍女が一人やられたのよ?怖いのよ!こちらとあれ以前に二回死にかけてるんだから…」


「浅井と柴田か…。確かに…。でも、秀頼を戦線に出して幸村に指揮させれば勝ってたよあの戦い」


「そこは…反省してるわよ…。もういいでしょ?帰るわ。ほらそこの巫女さん。私呼んだのあなたでしょ?帰してよ?」


楓は「はいはい」と返事して、幣を左右に振った。


「昇霊術-風-」


またしても風が吹き、淀君は白いモヤとなり消えた。


ちょっと不思議な体験だった。


「しかし晴美…。いきなり呼び捨ては私がビックリしたわよ」


楓が呆れたように言った。


「いや、戦国時代は呼び捨てが最高の敬語だったんだよ!」


「そうなの!?」


すみれが食いつく。


「…一時はね」



三人は移動を開始した。


次の目的地は豊国神社。


この辺りはかつて秀吉の土地だったため、豊臣秀吉ゆかりのものが密集している。


豊国神社もすぐに到着した。


「この神社は豊臣秀吉を祀るんだ。徳川幕府が一度ぶっ壊したんだけど、明治天皇の命で再建された」


晴美の説明をききながら歩く。


「あ、あの門キレイ!」


すみれが指差すそれは唐門。


国宝だったかな?


「正直、ここは来れれば良しだから、次を目指したい」


そう言って、豊国神社は割と直ぐに出た。


「次はどこ?」


「次も近くだよ。道渡ったらすぐ」


すみれの質問に地図を見ながら答えた晴美。


「おっ!あった!耳塚!」


晴美の視線の先には、盛られた土の上に石でできた塔が建てられたものがあった。


「…お墓?」


「みたいなものかな?」


楓の問いに答えてからまた説明を始めた。


「これは秀吉の朝鮮出兵のとき、倒した敵の耳や鼻を切り取って塩漬けにして、手柄として送ったんだよ。首だと重たいからね。で、秀吉が送られてきたものを埋めて供養したのがこれ」


晴美はさらっと言ったが、とんでもないことである。


「それは…怖すぎない?」


「まぁ…。400年も前だからね。因みに、耳塚って名前だけど鼻の方が多いよ。耳は二つで一人分で計算して恩賞が出たらしい」


「あー、だから霊がうようよしてるのね~」


楓のこの言葉ですみれが焦りだした。


「えっ!?ちょっ!追い払ってよ!」


「嘘よ。私には霊なんて見えないわ。降ろさない限りね」


「意地悪!」


「あはは!ごめん!」



さて、次の目的地。


六条河原。


「河原?川遊びには寒いわよ?」


「いや、川には入らない。強いていうなら今は何もないただの河原だよ」


ますます分からない晴美を除く二人。


なんでただの河原をわざわざ見に行くの?


疑問を心にしまい、六条河原を目指した。


「よし、多分この辺だな」


そこは橋の上。


眼下にはのどかな川の流れ。


時々自転車やジョギングを楽しむ人が通る。


川沿いには遊歩道。


たしかに柳があるが、他には特に何も無い。


「ここは何?何もないよ?」


すみれが聞いた。


「あ~、やっぱ知りたい?私は霊と話すだけで良かったんだけど…」


「気になるから知りたい」


「ここ、元処刑場なんだ。関ヶ原で負けた武将の最期の地。長宗我部盛親とか石田三成とかね。そんなわけで、石田三成呼んでよ!」


「はいはい。三成ね」


そう言って、楓は幣を振り回し霊を呼んだ。


「おー!三成?」


「いかにも!拙者が石田三成だ」


「柿食べる?」


「柿は毒だからいらぬ」


「ホントに断った!」


やけに嬉しそうな晴美。


なんだか分からない楓とすみれ。


「処刑前に柿食べる?って聞かれたけど断ったって逸話があるんだ」


晴美が?を浮かべる2人に説明した。


「ねー処刑されてどんな気持ち?悔しいでしょーねー」


「それ何のマネ…?確かに悔しいな。あの小早川め!あと、当日お腹壊さなければ…」


「あ~そっか。関ヶ原前日から下痢だったんだっけ…」


「そうだ!下痢のせいで負けた!うっ…ヤバい…。波が来た…。そこの紅白さん。もう帰らせてくれ…」


紅白さんと呼ばれたのが不服なのか、行動に移さない楓。


「あー!ごめんなさいごめんなさい!早く!早く!」


「…はぁ」


楓はため息をついてから幣を振り回した。


「下痢キャラってどうなの?」


三成が消えた後、すみれがさらっと聞いた。


「…ほら。三成だから」


「…適当ね」


こうして六条河原を後にした三人は、京都駅を目指して歩いた。


駅前から鈴虫寺の方へバスが出ている。


それを利用するのだ。




京都市バスに乗り、やってきた鈴虫寺。


ここは一年中鈴虫寺を飼育している。


草履を履いた地蔵が珍しい。


何でも、願い事をすると地蔵が歩いて願いを叶えにやってくる設定らしい。



晴美の願い事。


(…日本百名城全て登城して、築城主と石垣の構造全てが分かるようになりますように)



すみれの願い事。


(美味しいものが食べれますように)



楓の願い事。


(分社ができますように)




願い事が済んだらいよいよ大阪入り!


大阪城へ!


大阪城公園で電車を降りて、天守を目指す。


「あ、私何か食べたい」


「私もお腹減ったな~」


すみれと楓が空腹を訴えた。


「よしっ!じゃあ何か食べるか!」


周りを適当に眺めて見つけた店。


大阪らしいたこ焼き屋。


「おー、大阪のたこ焼き!本場だよ!」


「本場のものは本場で食べるのが私の主義なのよ」


「楓、その発言は危険よ!食べるためだけに本場に連れて行かれるわよ!」


楓の分かる人には分かるボケにすみれがツッコミを入れた。


「よしっ!行くか!」


三人がたこ焼きを食べ終わったタイミングで、晴美が声を上げた。



天守へと向かう。

天守下にあったのは井戸。


通称、黄金水。


秀吉が水を浄化する為に金を沈めたという史実にない伝説が残る井戸。


「この伝説、史実じゃないよ!」


「まぁ確かに。金に解毒作用や殺菌作用があるなんて聞かないし」


晴美の言葉に楓が返した。



いよいよ天守の中へ。


一階はシアタールーム。

二階はパネル展示。


メインは三階からとなる。


まず目の前に現れたのは秀吉御用達の黄金の茶室。


現存しないのでレプリカではあるが…。


「これ…。すごいわね。目がチカチカしそう」


すみれが茶室を見てつぶやく。


「こんなに落着けない茶室も他にないわよね~」


楓の言う通り、全く落着けそうにない。


全体がとにかくピカピカなのだ。


「これ折り畳み式で持ち運び可能だったんだってさ」


晴美が解説を加え、茶室の前から移動した。



「二週間前まで、淀と秀頼が自刃した蔵の屋根が展示されてたんだけど…。残念だな」


展望へと向かう途中に晴美が一人でつぶやいた。



さて、天守展望台へとやってきた三人。


ミュージアムショップでキーホルダーを買い、景色を眺める。


真田丸があった場所も今は何もない。


当時はかなり大きかったであろう縄張りも上からは見えない。


ここは本願寺の跡地だったのだが、今は面影も残っていない。


何よりもエレベーターが付いたこの城だって、昔とは姿が違うのだろう。


歴史の流れを感じることができる城だった。





大阪城を出ればあとは京都のホテルに戻るだけ。


夕飯は京都の駅ナカで済ませる予定。




そんなわけで大阪からトンボ帰りして京都駅。


埼玉から東京に行くくらいの時間で着くからそんなに遠く感じなかった。


そもそも埼玉から東京までの道のりが曖昧なのだが…。


つまり適当。



「夕飯どうする?」


「どこでもいいわよ?見つけたとこ入ろうよ」


「見つけた!お好み焼き屋!」


晴美と楓が話していると、すかさずすみれが発見。


お好み焼きなら大阪で食べても良かった気がするがそこはまぁ置いといて。


この店は店員が焼いてくれるスタイルだった。


美味しくいただいた3人であった。


「今日は豚まん買わないの?」


昨日の豚まんが気に入った様子のすみれ。


「じゃあ買ってく?どうせ前通るんだし」


「異議無し!」


昨日と同じく蓬莱の豚まんを買ってからホテルへと戻った。




ホテルの入り口で担任が点呼を取ったあと、部屋へと戻る。


「あ~、流石にちょっと疲れたも」


部屋に入った途端、楓がベッドに寝転がり言った。


「お疲れ様。楓のおかげで淀君と話せたよ!」


「あ~、あれ今日なのよね~。既に昨日のことのよう」


「随分とお疲れねぇ。先シャワー浴びちゃえば?」


すみれが声をかけると、楓はそれに応じた。



「私もなんだかんだで疲れたかな~。ん~、豚まん美味しー!」


「お、私のも取って」


「はいよ~」


2人で豚まんを食べながらしばし話す。


「明日で帰るのか~…。なんか早いな~。晴美はお土産買った?」


「買ったよ。部活と家族に」


「あ~部活か。鬨哉どう?」


「乙葉と仲良くやってるよ」


「なら良かった~。あ、あいつにお土産買ってないわ」


「カボチャの漬け物とかどう?」


「いいね!それにするわ。どこで売ってるの?」


「下の売店でさっき見たぞ」


「ちょっと行ってくる!」


そう言うとすみれは部屋を出た。


それを確認すると、晴美はテレビを付けた。


京都の名所を紹介する番組だった。


清水寺に金閣寺。

嵯峨野に京アニ。


京アニ…?


そういえば、そんな有名所回ってないな。


時間に余裕があればな~…。


そう思った晴美だった。


「お風呂空いたよー!」


楓がそう言いながらシャワールームから出てきた。


学校指定のジャージ。


でも髪が濡れているとなんか新鮮に感じる。


ストレートに長い黒髪をタオルで挟むようにして水気を切っている。


「あれ?すみれは?」


すみれの姿が見えないことに気付いた楓がきいた。


「下の売店に京漬け物買いにいった。お土産だってさ」


「ふ~ん…。京漬け物か。確かにお土産には良いかも知れないわね」


そんな話をしていると、すみれが戻ってきた。


「あったよ!カボチャの漬け物!」


「え?カボチャ?珍しいわね」


「だから買った!」


楓もカボチャの漬け物に驚いていた。



その後代わる代わる2人も入浴。



テレビも電気も消し、ベッドの中。


「楓、寝た?」


「起きてるよ。どしたの晴美?」


「いや、修学旅行終わるんだなって…」


「…そうね。楽しかったな~」


「私も楽しかった!」


2人の会話にすみれも入った。


「明日で最後か~。ちょっと寂しいかも…」


晴美が苦笑い混じりに呟いた。


「あ~、でもさ。後輩には会いたい」


すみれが言った。


「あ~確かに!お土産渡したいな~」


楓も同じ気持ちだった。


「さて、明日は最終日!寝ますか!」


「あ、待って晴美。明日はどこ行くの?午前中だけの自由行動でしょ?」


楓がきいた。


「明日は御所かな。さっきテレビでやってたよ」


「御所?」


「天皇が住んでた場所だな。蛤御門とかある」


「蛤?何だか分からないけど楽しみにしてるわ!お休み」


すみれはそう言って寝息を立て始めた。


「お休み」


「お休みなさい」


それに続き2人も就寝したのだった。





翌朝。


目覚ましに携帯のアラームが響く。


やはり今話題の名曲。


昨日とは曲が違う。


ラブソングである。


「ん~…!朝か~…。準備しなきゃ…」


のそのそとベッドから這い出る晴美。


着替えて荷物をまとめる。


あとから起きた2人も荷物整理が終わったところで朝食。


朝からバイキングである。


そんなに食べれないけど。



朝食終了後、荷物を家に送るためにトラックに積み込む。


それが終われば自由行動。


「よしっ!御所だ!近くだからな!」


「あ、理由それなんだ」


楓も今知った衝撃の理由。


時間もあまりない。


まずは門。


「正直、予約してないから建物の中には入れないんだ」


晴美が言った。


「予約必要なの?」


「うん。宮内庁管轄の土地だし…」


「宮内庁!?」


すみれが驚きの声をあげる。


「まぁ、今もたまに使うらしいし」


「へえ~」


話しながら少し歩くと、門が出てきた。


「おっ!これが蛤御門だな!」


黒い大きな門の前で立ち止まる。


「蛤…?貝の?」


楓が不思議そうか顔をする。


「うん」


「なんで蛤?」


「普段は開かない開かずの門だったから。堅く閉じてるハマグリみたいじゃん…って」


「あぁ…そういう」


納得できたようなできないような…。


微妙な楓であった。


「あと、この門には面白いものがある」


そう言って晴美は門を何かを探すように隅から隅まで見た。


そして…。


「あった!これこれ!」


晴美が見つけたものは…。


「傷…?」


門についた傷だった。


「そう。これ、蛤御門の変の時についた弾丸の跡なんだ」


「物騒ね…」


すみれが呟く。


「明治の弾痕なんてスゴくないか?」


「凄いけど…。よく戦争で残ったわね」


「いや、歴史的価値の関係で、アメリカ軍は京都は空襲してないんだ。だから京都府民は『この前の戦争=蛤御所』と答えるらしい。太平洋戦争じゃなくてね」


「へぇ~…」


蛤御門をみたところでひき帰す。


時間が無いのだ。


最終日だけは新幹線の関係で兎に角時間がタイト。



集合場所の京都駅には、既にかなり集まっていた。


大半の生徒が京都タワーにいたことが伺える。


「さて、楽しかった修学旅行も終わりです。しかし家に帰るまでが…」


先生が話している。


晴美は荷物の中にある乙葉と鬨哉へのお土産を眺めていた。


二人のために買ったキーホルダー。


大阪城限定の貴重な代物である。



さて、先生の話も終わり、いよいよ新幹線へと乗り込む。


「さよなら、京都」


誰にも聞こえない声で呟いた時、新幹線は発車した。


晴美の隣に座っている楓やすみれは乗ってすぐに睡眠。


お疲れ様でした。


因みに、清洲城近くと小田原城近くを通った時、晴美は興奮のあまり二人を起こしたのは想像に難くないだろう。

やっと終わった…。


長かった…。



次は館山城!


しかし滞在時間40分の城を文章にするのは大変ですよ…。


バス旅行でちと寄っただけなんですわ…。


魔界発現世行きのバスですわ。


何言ってるか分からない方は遊戯王やるとわかりますが…気にしないでください。

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