たまには息抜きしましょうよ! 水戸光圀の愚行
かき集めただけの徳川光圀の逸話を放出します。
普通に小説にするのは厳しいと思ったので、ちょっとギャグ風にしてみました。
悪代官を凝らしめる光圀はここにはいません。
それが史実だから仕方ないです。
「日の本全土ご当地グルメ王決定戦!」
そんなテンションで日本中を歩こうとしているのは、徳川光圀。
いわゆる「この紋所が目に入らぬか~」の彼である。
「全国歩くって…。あなた関東から出たことないですよね…」
助さん…いや、ただの家臣が呆れ気味に言った。
「いや、この前食べたラーメンだっけ?あれが美味くてさ~。きっと日本中探せばまだまだ美味いものがあるはず!」
鼻を鳴らす光圀。
「いや、まぁ…。光圀さんが日本で初めて食べたみたいですね、ラーメン」
「そうなんだ!やったね!」
「で、日本を歩いてどんなものが食べたいんですか?」
「そうだな~。餃子とか…あとチーズ?牛乳もきっと美味しいとこあるだろうし…。黒豆納豆なんてのも珍しいから食べたいな!」
家臣は知っていた。
だから突っ込む。
「どれもこれも日本初はあんたじゃねーか!」
「うるさいなー!良いだろ!」
拗ねた光圀は家臣にとある物体を投げつけた。
「うわっ!臭っ!なんですかこの布は!」
「靴下!メイド・オブ・オランダ!」
「それだと日本語約が『この靴下はオランダで出来ている』になりますよ…。メイド・イン・オランダが正しいですね」
「家政婦・イン・オランダ!」
「あんたメイドの意味履き違えてるよ!」
「靴下だけに履き違えてる…か…」
なぜか負けた気がした家臣だった。
言い忘れたが靴下も光圀発祥である。
「さて、ピョンキチに餌でもあげようかね」
上機嫌でトウモロコシを持つ光圀。
「ピョンキチ…?」
家臣がなんだかわからずにいると、光圀はやたらカラフルな小鳥が入った鳥かごを持ってきた。
「なんですか?そのド派手な鳥は!?」
見たことない鳥に家臣は驚いた。
「インコ。漢字で書くと鸚哥。携帯で変換したら出てきただけだから合ってるかは知らないけど」
「読めねー…。ってかインコ!?最近東京で野生のが見れるとか噂されてるインコ?」
「そうなの…?生態系大丈夫かな…。いや、そんなことより!誰も飼ってないから俺が飼ってみた(キリッ)」
「あんた…日本初好きな~…」
もうそれしか言葉が出ない。
「そりゃもう!殉死の禁止とか、貧乏人救済策とか、経済活性化とか!」
胸を張る光圀。
確かに輝かしい栄光の数々である。
「殉死の禁止は片倉景綱がやってます。貧乏人救済策は最上義光が農民に補助金出したことがあります。経済活性化は織田信長の楽市楽座が有名ですかね」
家臣の言葉に機嫌を損ねた光圀。
「もういい!ちょっと出掛けてくる!」
そう叫ぶとビロードの襟付きの、ド派手な着物を着て街に繰り出した。
どう見ても不良である。
腰にさした刀がたちが悪い。
しかもそれを抜き、振り回しながら歩くものだから危ない。
さらには辻斬りしようとするもんだからもう手に負えない。
「ほらほら落ち着いてください!」
「嫌だ!さっきあの犬公方に野良犬の毛皮をふんだんに(40匹くらい)使ったコートあげたんだ!俺は死ぬんだ!だから好きなことやらせろよー!」
「なんてことしてんだー!」
世は生類憐れみの令。
犬は大切。
やってくれたよこいつ…。
しかし何故かお咎めは無かったというオチ。
「さて、暴れたら気が晴れた!琴でも引いてから帰ろう!」
「琴ばっかやってないでたまには勉強してくださいよ~」
光圀は勉強を嫌い、琴にのめり込んでいった。
帰ってきたらきたで…。
「吉原の遊郭に行ってくるね!」
また遊びに行った。
「待って!何しに行くのですか!?」
「何って…。そりゃ女の子と……とか……をだな!」
「猥談は止めてくださいよ…」
最近の光圀の趣味に猥談が追加された。
「全く…。猥談が好きなんて、誰が史実だと思ってくれるんでしょうか…。史実なのに…」
悲しむ家臣。
「どうすればあの方はまともになるんだ…」
考えた結果は…。
「これを読んでください!そして感想を教えてくださいね!」
家臣は光圀に本を読ませることにした。
「俺は小学生かっ!」
「小学生よりたちが悪いです!もう18歳のくせに!」
家臣が差し出した本は「司馬遷」の「史記」。
「司馬遷誰?」
「さぁ…。三国志の、謀反の常連だった一族の何かじゃないんですか?何話か前のお話に名前出来ましたし。まぁ適当に言ってるんですが」
「適当かよ~…」
文句を言いながらも、光圀は史記に目を通した。
その日の夜…。
「僕やるよ!エリートになるよ!」
「おぉ!一人称まで変わるくらい立派になられて…!」
光圀のやる気スイッチが入った。
「まずは日本初の通史を作ろう!」
「あ、日本初が好きなのは変わらないのね…」
「僕は関東から出たく無いから、使者を各地に派遣して情報を集めるんだ!」
家臣は知っている。
この使者を派遣したことが後の世に全国を旅したイメージを定着させてしまったことを。
でも、今は構わなかった。
光圀がちゃんとしていることに感動していた。
集まった情報をもとにしてできたのが「大日本史」である。
一冊の本が光圀の性格を大きく変えたのだった。
史実だと旅してないってのは有名ですかね。
日本初がとにかく多いです。
本文の食べ物は全て光圀が日本初ですって!
インコ飼ったのも日本初です。
辻斬りは実際にやってたみたいです。
刀振り回して歩いたり…。
身分が下の人と猥談で盛り上がったり…。
若いころの光圀はなかなかにヒドいですね~。
犬の毛皮送るとか…当て付け?
因みに肉も好んで食べたようです。
あ、犬のじゃないよ?
牛とか…。
一応確認ですが、生類憐れみの令出てます。
評価できることもあるんですけどね~。
司馬遷…誰?
名前は聞いたことあるんですけどね。