寄稿 日の本全土決起集会!
今回は五円玉様からの寄稿です。
ありがとうございます。
しかし途中いろいろ突っ込みたいところが多々出てきますが、気にせず行きましょう!
「殿、火急にございまする!!」
「どうした、こんな朝っぱらから・・・」
・・・俺は泣く子も黙る極道、東北独眼竜組が総長、伊達政宗。
この日の本は東北の裏社会を仕切る、いわゆる『ヤ』の集団のリーダーだ。
その独眼竜組の本部でもある、米沢城。
「殿ぉ~、殿ぉ~!!」
俺の自室でもある、城の天守閣。
そこへ、突進形態の本多忠勝の如く突入してきた大男が一人。
「殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿殿ッ!!」
「うっせぇ!!」
朝六時、まだおねむの時間なのに・・・大粒の汗を額に浮かべ、息を切らし、鼻の穴を広げ、眉毛をハの字にし、唾を飛ばし、そして何故か・・・全裸で・・・俺の天守閣に突入
してきたのは、独眼竜組の団員である、茂庭綱元。
「って綱元ッ!? なんでお前全裸ッ!?」
体の大きな綱元。
エレファントもビックダディ。
「殿ぉ、火急にございますぞぉ!!」
「この状況的に俺の純潔が火急と言うべきか・・・」
寝起きの俺に、汗だくの大男(全裸)
「殿ぉ!! 大変ですぞぉ! とにかく大変ですぞぉ!!」
「ああ・・・大変だな・・・お前」
「殿ぉ、タイヘンですぞぉ、タイヘンタイヘンタイヘンタイヘンタイヘンタイヘンタイヘンタイヘンタイッ!!」
「おい、最後大変が変態って・・・」
「殿ぉッ!! ヘンタイですぞぉ!!」
「それはお前だッ!!」
服着ろ、服。
「殿ぉ!!」
「うおッ、ちょっ、こっち来るな!」
「殿ぉ、ホントに大変なのです!!」
「やめろ、目の前で揺らすな! きもい!」
「殿ぉッ!!」
「お前朝だからか!? 朝だからエレファントがパオーンして・・・」
「殿ぉ!! 上杉がぁッ!!」
「やめろ近いッ! くっつく、あと1センチでアウトだ!!」
「殿ぉ、長谷堂城が上杉にッ!!!」
「やーめーろー! くるな、こっち来るな!!」
「殿ぉッ、上杉の軍が、長谷堂城の事務所を落とし、今この米沢に向けて進軍をッ!!」
「やめろ綱元、俺はノーマル・・・え?」
え?
今、何つった?
「だから殿ぉ、上杉がもう目前まで・・・」
「・・・は?」
「既に長谷堂城の最上殿からは敗戦の報告が入っておりまする! なんでも夜襲を受けたとか・・・」
「え・・・嘘、いつ?」
「昨晩の事ですぞ殿ッ!」
「え、えええええぇぇぇぇぇっ!?」
「南部隊、佐竹隊、蒲生隊それぞれ長谷堂城に向け進軍開始した模様。依然最上さんとは連絡が取れません・・・」
パソコンに視線を向けたまま、独眼竜組情報担当の石川昭光はボソッと呟いた。
米沢城の情報管理室。
俺は独眼竜組の副総長でもある片倉影綱と、石川昭光と共に作戦会議中。
「まさか・・・一夜にて独眼竜組の要である、長谷堂城が落とされるとは・・・」
「最上の失態だな、こりゃ」
長谷堂城。
独眼竜組の幹部でもある、最上義光が治める東北屈指の巨大事務所だ。
そしてこの長谷堂城はその位置的に、東北の隣・・・北陸の『ヤ』の集団に対しての睨み、けん制にも一役買っていた。
「・・・どーするよ、総長」
少しダルそうな昭光。
・・・よし、こいつ今月減給。
「・・・今、南部達は長谷堂城へ向かっているんだよな?」
「・・・だね」
本当にダルそうだな、昭光。
減給減給。
「・・・で、今その敵・・・上杉はどこにいんの?」
「・・・上杉かい? 上杉なら・・・」
そして、昭光はダルそうにあくびを噛み、一言。
「もう・・・米沢城の門前まで来てるよ」
「・・・ワァイ?」
なぜだ、なぜなんだ?
俺は・・・恐る恐る窓から外を・・・
「マサムネぇ!! いるかぁ!?」
・・・外には、もうすでに・・・
ってか、
「じゃあ南部達は何しに長谷堂城行ってるの!?」
北陸毘沙門天組。
北陸地方の裏社会を仕切る、いわゆる『ヤ』の集団。
総長は神様とやらを信じて崇拝しているらしい。
・・・まあ、変人だな。
そしてその毘沙門天組と我が東北独眼竜組とは・・・すこぶる仲が悪い。
そりゃもう、互いの領土を取り合うくらいに仲が悪い。
「おっすマサムネ! 元気してた!?」
「・・・ああ」
米沢城天守閣。
今この空間には、総長が2人。
「いやしかし、あんま変わってないね、米沢も」
人の天守閣をじろじろと見まわす、北陸毘沙門天組の、総長。
「うっせぇ。ってか、あんまジロジロと見んじゃねぇよ」
「うわ、なんか思春期の男の子みたいな発言」
「うっせぇッ!!」
まさかの党首会談。
この米沢城天守閣にいるのは、東北独眼竜組総長伊達政宗と・・・
「いやでも、変わらないね、マサムネ」
北陸毘沙門天組総長、上杉謙信(♀)
そう、女総長だ。
「・・・そういうお前もな、謙信」
・・・独眼竜組と毘沙門天組はすこぶる仲が悪い。
あくまで、組としては。
俺と謙信は、昔からの知り合いだ。
「・・・で、こんな大軍連れて、今日は何の用だ?」
俺は早速本題に入る。
いまだ城の外には、上杉の大軍がズラリ。
「あ、うん。 ・・・実はさ、ちょっと相談があってね」
一方、城の外では・・・
「久しぶりですな、片倉氏!」
「おおう、これは直江氏」
独眼竜組副総長片倉影綱と、毘沙門天組副総長直江兼続。
2人は戦国アイドル、お市48の大ファン同士である。
「いやぁ、この前のお市48ライブIN本能寺、なかなかの盛り上がりっぷりでしたな片倉氏!」
「そういう直江氏こそ、手作りのお市兜を持参なさって・・・挙句の果てには愛の兜を投げ捨ててまでお市兜をかぶるとは・・・なかなかです」
「まあ、しょせん愛だなんて、ねぇ」
「・・・直江氏、その発言は歴史的に・・・」
「ねぇ、マサムネ。信玄の好きな食べ物って何か、知ってる?」
「・・・は?」
「いやだから、信玄の好きな食べ物よ!」
「・・・いや、知らないけど・・・」
「じゃあ、信玄の好きな曲は?」
「・・・知らん」
「じゃ、じゃあ信玄の好きな服って・・・」
「・・・・・・」
「・・・マサムネ?」
「・・・お前」
「・・・ん?」
「お前・・・何しに来た?」
謙信からの相談。
その内容は・・・
甲斐風林火山組総長、武田信玄のプライベート的な質問の応酬・・・
ってか、相談?
「なんで・・・信玄?」
「え? あっ、いや、別に・・・」
突然目をそらしだした謙信。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・お前」
「なっ、何?」
「お前・・・分かりやすいな」
人間、好きな異性にちょっかいを出してしまうのは自然の摂理と言うものだ。
「だがな、そんな摂理が発展し、まさかの川中島合戦になっては本も子もないぞ」
「わ、分かってるわよ・・・」
少ししおらしくなったな、こいつ。
「ってか何? お前、わざわざ信玄情報だけを求めて、米沢まで?」
「イエス! きりすと!」
・・・お前の場合は毘沙門天だろ?
「実はね、マサムネんとこ来る前にも、姫童子さんや備前の熊さんとこにも行ったんだけどさ、なかなか情報が掴めなくて・・・」
「そんな・・・九州に四国だと・・・」
そんな・・・
「・・・お前、信玄の事なら北条んとこや、今川の爺さんんとこの方が情報あるんじゃ・・・」
「・・・でもほら私、北条とは河越で喧嘩したきりでなんか気まずいし、今川は生理的に嫌だし・・・」
「・・・・・・」
もう、言葉すら出なかった。
「今度こそ川中島デート、成功させてみせるッ!」
と、息まいていた謙信の川中島デートの行方は、のちの五円玉の短編祭りにて公開ということにして。
もはや軽いストーカーと化している謙信さんは、俺が信玄の情報を持ってないと知るや、一目散に帰宅の意を示した。
「ってか、こんなことのために潰された長谷堂城、最上って一体・・・」
謙信曰く、通行の邪魔だったから潰したとの事。
・・・哀れ。
そして今更だが、冒頭綱元が全裸だった理由については、
「拙者、寝る時は裸でないと眠れないのです!」
との事。
誰得?
「南部、佐竹、蒲生は最上の救出へ向かったって事になってます、一応」
by昭光
「でも実際は、上杉との争いを恐れて逃げてたっていう・・・」
裏話。
「そして総長、減給はやめてちょ」
「うん分かった。減給しない、丸々カットってことで」
「あぁ~~~もうっ、何で毎回毎回あいつに勝てないのよぉっ!!」
日ノ本、北陸は越後の国。
「斬っても突いても射抜いても、殴っても蹴っても馬で踏んでも倒せないとか、もう何なのあいつはっ!!」
春日山にそびえるは、立派ないでたちの春日山城(事務所)。
「もういっその事、あいつの陣に単騎がけでも・・・」
城の中腹にある、とある一室。
「まあまあ、少しは落ち着きなされよ」
「うるさい! 定満は黙ってて!!」
「謙信様・・・」
様々な仏像やお札の貼ってあるその部屋に、一人の少女がムスっとした顔で、あぐらをかいて座っていた。
「そもそも、なんでアタシがあんな野蛮武将に惚れ・・・いや、遅れをとられないといけないのよっ!!」
「それは謙信様が日ごろの修練を怠り、遊んでばかりいるから・・・。 昨日だって、近くの川で・・・」
「あ、あれは遊びなんかじゃ無いわよ! あれは偉大な毘沙門天様にお供えする魚を取りに・・・」
「・・・いえ、あれは川遊びです。 釣りなんかせずにあなたは川でずっと泳いでいたではありませんか」
「むぐぐっ・・・」
少女・・・越後の将(総長)、上杉謙信はその場に倒れこみ、畳の上をゴロゴロ。
「・・・私は」
川中島デート。
東北の総長、伊達政宗は気づいていなかった。
この川中島デートは、ただのデートなんかではなく、本当の・・・合戦であることを。
「・・・絶対に信玄を倒して、そして・・・
告白してみせるッ!」
上杉謙信と武田信玄。
2人の戦いの噺は、また別の噺・・・。
片倉景綱…。
戦国時代の人物名は基本的に「影」ではなく「景」の字を使うんですね。
私も携帯で結構苦しむところでがありますが。
あと、本も子もない…ではなく、元も子もないですね、正しくは。
これくらいかなぁ(笑)
さて、半ば本文に宣伝として入っていましたが、五円玉様がこの小説の続きを執筆しているようです。
ぜひ、完成した暁には拝見したいですね!
さらに、本編では使うところがありませんでしたが、実は結構な数の挿絵をいただきました。
では、五円玉様の挿絵ギャラリーと行きましょうか。
九州一撃必殺組 島津義弘。
示現流が元ネタでしょうが、当の島津義弘は示現流を学んではいないようです。
BASARAのやりすぎ。
マフィア第六天魔王 織田信長。
第六天魔王は武田信玄への手紙で自ら名乗った信長のニックネーム。
瀬戸内詭弁学派会 毛利元就。
何となく知的そうな会に入っているらしい。
確かに謀略系の武将でしたよね。
四国姫鬼組 長宗我部元親。
「姫若子」が元ネタかな?
後に鬼若子と呼ばれる元親のイメージですね。
姉川プロダクション 浅井長政&アイドル お市。
これは本文に突っ込むべきでしたかね?
リア充爆発しろと言いたくなるような一品。
あれ?アイドルって恋愛禁止なのでは…?
駿河今川会 今川義元。
海道一の弓取り(弓取りとは武士のこと)と呼ばれた義元のなれの果て感漂う作品。
五円玉様はこれが一番のお気に入りだそうな。
一乗谷自警団 朝倉影義。
さて、突っ込むのが優しさですかね。
影義って…。さすがにイラストにバッチリ書き込まれちゃったので編集できないっす。
義景の間違いっすね、たぶん。それとも私の知らない武将でしょうか…?
いや、間違いでしょう。
そして、背景が緑色の紙で渡されたので今回は政宗以外色つきですが気にしないでくださいね。
というか、小説も挿絵ももらっといて文句は言えないっすね。(今更…)
というわけで、五円玉様が続編を書いていらっしゃるようなのでお楽しみに!
そして前回のアンケート、まだまだ続けていますよ!
ご協力お願いします。