百六十一番槍 さらば戦友…
明日はバーベキューやるんです!
肉の用意は人任せですが…。
その日、越後の上杉謙信はいつものように食事をしていた。
そんなとき、城内をドタドタと走る足音が近付いてきた。
「謙信様!」
足音の主は謙信の家臣。
急用を知らせに走ってきた。
「何だ?騒がしい…」
「はっ!甲斐の武田信玄が死去りました!」
「なん…だと…?」
その知らせを聞いた謙信はポトリと箸を落とした。
「謙信様…?」
不思議そうに家臣が顔を覗く。
その目からは涙が零れていた。
「私は最大のライバルを失った…。この世に信玄ほどの英雄は他には居なかった…」
「し、しかし謙信様!今の武田なら容易く倒せます!攻めるなら今かと!」
「そんなことして何になる!?確かに今出陣すれば簡単に甲斐は取れよう。しかし、今の武田勝頼なんぞ討ち取っても、そんなの大人気ないだけだ!」
そう言って、謙信は勝頼を攻撃することは無かった。
信玄の訃報を聞いた謙信は、食事中に箸を落として泣いたそうです。
その時に言った言葉が「吾れ好敵手を失へり、世に復たこれほどの英雄男子あらんや」だそうな。
勝頼を攻めようという家臣の案を却下したのも謙信です。
因みに、この謙信が泣いた逸話。
後世の創作説があります。
謙信は信玄をすっげー嫌ってたらしいので…。
寧ろ嬉し涙説があるくらい…(笑)