十六番槍 三顧の例に応えた軍師
週刊ランキングの歴史部門で9位でした!
週刊に入ったのは初めてです。
有難う御座います!
さて、今回はあの軍師!
城の乗っ取りと言えば?
「おいこら義龍!貴様息子の癖して父に刃向かうとは何事だ!親の顔が見てみたいわ!」
「んだとオラァ!テメェのようなクソジジイ、父親だと思ったこともないわ!親の顔が見たけりゃ、鏡見な!」
ここは美濃。
斎藤道三が息子の義龍と争っていた。
国が荒れているそんな中、母や弟と菩提山城で父の帰りを待っている少年がいた。
色白で女性らしさもどこかに存在する彼の名は、竹中半兵衛。
彼の父、重元は、道三の味方として出陣していた。
子供と女しかいない城は、義龍側から見ればこれ以上無い獲物だった。
「おいっ!今なら菩提山城は女子供しかいないらしい!城一つ落としたとなれば、義龍様から謝礼がたんまり出るぞ!」
「マジで?チャンスじゃん!よーし!やってやんよ!」
案の定、義龍の味方の土豪たちが攻撃してきた。
「へーい!竹中のガキ共!殺されたくなけりゃ、城空けな!テメェらの親父も兵も出陣してんのは知ってんだ!足掻くだけ無駄だ!」
攻撃しながら土豪は叫んだ。
その声に怯えたのは城内の半兵衛の弟や母。
「あわわわわ…。は、半兵衛や。し、城を…城を空けないと…」
「そうだよ兄様!今は俺達3人しかいないし…。殺されたら元も子も無いよ!」
母と弟は半兵衛に泣きついた。
しかし、半兵衛はいたって冷静だった。
「ふぅ…。母上様、そして弟よ…。城中の竹を集めてくれ…」
そういうと、半兵衛は焚き火をおこした。
「竹をこの火に投げ入れて!急いで!」
半兵衛が指示した。
ポカンとする二人。
それでも半兵衛に従うしかなかった。
「そりゃ!んしょ!兄様!入れたよ!」
「もっと!もっと入れて!」
パンッ!バンッ!
火にくべられた竹は勢いよく破裂した。
勿論、大きな音を伴って。
その音を聞いてビビったのは土豪たちであった。
「うわぁ!こ、この音…。鉄砲じゃねえか?」
「あ、ああ…。間違いねぇ…。て、鉄砲だぁ!まだ城にそんなものが残ってたのかっ!」
「うわぁ!撤退!撤退じゃあ!」
土豪は慌てて撤退した。
こうして、半兵衛たちは事なきを得た。
竹中半兵衛が13歳の時でした。
10歳の弟や母と城の留守を守っていると土豪に襲われました。
しかし、半兵衛は全く動じず、火に竹を入れるように指示。
竹の破裂音を鉄砲の音と勘違いした土豪は慌てて逃げ出したそうです。
後に天才軍師と呼ばれる半兵衛の才能が早くも開花したエピソードでした。
挿絵…。
裏写りしてますが気にしないでください~…。