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百四十六番槍 天罰?いや、違うでしょ
最近暑くて寝れません…。
誰かが言ってたな…。
暑くて寝れないなら寝なきゃいいんじゃね?
その手が…無いよ!
外は激しく雨が打ちつける。
黒い雲が不気味に空を覆う。
今宵は豪雨。
時より空を明るく光らせる稲妻が不安を煽った。
戦国の梟雄、松永久秀も空を見上げていた。
城に雷が落ちて全焼…では笑えない。
しかし、落雷は制御できないもの。
今日は寺に一発落ち、全焼した。
「あ…ああ…。天の神様の天罰だ…。どうしよう…」
慌てふためく住職。
寺が天罰にあったとは、笑えない。
そんな住職に、見かねた久秀が手紙を書いた。
「落雷のことを天罰だとか騒いでるみたいじゃないか。だがそれは違うぞ?落雷はただの自然現象だ。ま、そんなわけだからさっさと直したほうがいいぜ」
住職は寺の修理に取りかかった。
松永久秀の、神に流されない考え方でした。
自然現象だからって…。
いや、そりゃそうだけどさ…。
彗星も自然現象で片付けたあたり、科学的に考えるのが好きだったんでしょうかね?