百二十八番槍 戦国ちょっと怖い話
戦国ちょっと怖い話。
あなたは幽霊を信じますか?
鬨哉
「ゆーれい…?」
晴美
「信じるも何も、私の友達は降霊術を使うぞ?」
由佳
「スゴい友達ですね!あれ?鬨哉君怖いんですか?」
乙葉
「ヤマト信じてるんだ。私、幽霊って信じてないんですよね」
晴美
「いや、でも私の友達は降霊術を扱うんだって!」
(このまま尾張に出陣すると今川は滅ぶ…)
「うわぁっ!?…はぁ、はぁ…。夢か…」
草木も眠る丑三つ時。
今川館に響きわたったのは今川義元の悲鳴だった。
布団から飛び起きた義元は、息を荒らげながら今見たものが夢だったと認識した。
「どうしました?義元様!?」
叫び声を聞いて駆けつけた家臣。
直ぐに義元の様子がおかしいことに気付く。
「実は…恵深が夢に…」
義元が言う恵深とは、玄広恵深のことだ。
母親は違うが義元の兄に当たる人物で、家督を争った際に義元に負けて自害した。
「恵深様…ですか?」
予想外の答えに家臣も驚く。
「ああ。このまま尾張に出陣すると今川は滅びると言った…」
「尾張攻めは明日ですね。そんなのただの夢ですよ。それに、尾張は新しく当主が変わって日が浅いし、うつけと評判です。負ける訳ありません。お気になさらないのが一番です」
「そうだな。そうだよな!」
義元は再び眠りについた。
翌日、尾張出兵。
順調に進軍していた。
しかし、普門寺に差し掛かると、事態は一変する。
「あ…ああぁ…!恵深!恵深だ!」
「え?何もいませんよ?」
気が動転している義元は、家臣の話など聞いてはいなかった。
「貴様!さてはこのわしを呪う気だな!させるか!」
義元は刀に手をかけた。
実はこの普門寺。
恵深が自害した場所から近く、墓所でもあった…。
幽霊に切りかかろうとした今川義元の逸話でした。
恵深の呪いですかね?
このあと義元は桶狭間で討ち死にします。
あれ…?義元は討ち死にしたけど今川家が滅んだわけじゃないよね…?
氏真は長生きしたし…。
人間、幽霊の存在は昔から恐れてたみたいです。
縄文時代には、石を抱えさせて魂が浮き出てくるのを防ごうとした「抱石葬」なんてものもあったとか。
でも、幽霊信じてる人に「あなたは考え方が縄文人ですね」と言っても、「幽霊が実在するから、昔から恐れられてんだろ」と返されるだけですから止めましょう。
因みに私は反対派です。
いるなら会いたいです。
歴史の謎とか全てわかりますよ?