百二十二番槍 日本号呑み取り事件
自分史の課題が出ました…。
何で自らの逸話を自らが文章にしなきゃならんのかねぇ…。
小学生のころ校庭に生えてた木の実食べたら呼び出されて怒られたことくらいしか…。
あれは…理不尽でござった…。
第一回目の朝鮮出兵である文禄の役。
これが和睦で落ち着いたため、武将たちは皆日本に帰国した。
ずっと異国で槍を振るっていた母里太兵衛も例外ではなく帰国した。
そして、労をねぎらうために福島正則のもとを訪れたのである。
「正則殿!朝鮮出兵、お疲れ様…ってあれ…?」
襖を開けるとそこはてんやわんやの宴会場。
正則も既に相当酔っていた。
「お~太兵衛殿!一緒に呑もう!」
「えっと…?」
正則は太兵衛を宴会に加えた。
すると正則はどこからか大きな杯を持ち出した。
そしてそれに並々と酒を注ぐと、太兵衛に差し出した。
「これを呑んだら何でもくれてやるぞ!」
酔った勢いでそんなことまで言い出したのである。
「なら、正則殿が秀吉公より承りし名槍、日本号が欲しいです!」
そう言った太兵衛。
日本号は名槍中の名槍。
さすがに無理だろう…と思いきや。
「良かろう!では呑んでみろ!」
正則はあっさり了承した。
そして…。
「くぅ~!飲み干しましたぞ!では、日本号を!」
太兵衛はあの大きな杯に注がれた酒全てを飲み干してしまったのだ。
「わはは!見事!では、日本号を授けよう!」
こうして太兵衛は見事日本号を手に入れた。
翌日…。
「あ、あれ?に、日本号が無い!みな知らぬかっ!?」
焦る正則。
昨日のことは記憶に無いらしい。
「昨日酔って母里殿にあげたではありませんか…」
「はっ!?」
家臣の言葉に青ざめる正則。
急いで太兵衛のもとへ。
「日本号を返してくれ!」
「嫌…。もらった物は返せませーん!」
返還を望むも拒否された。
それ以来、2人は犬猿の仲となってしまった。
日本号の呑み取りでした。
これは正則が悪い!
日本号は確か、刃の長さが72センチくらいあります。
長い…。
現存してますよ。
正則の酒癖の悪さは随一です。
逸話があるので次回にでも紹介します。
因みにこの日本号の呑み取り。
「黒田節」の元ネタらしいですが黒田節については私が知らないので…。