百十八番槍 家臣への饅頭
久しぶりに長宗我部元親の登場です。
いつ以来だろ…。
辺りは静かで、心地よい波の音と、時よりカモメの声が聞こえる。
空は晴れ渡り、わずかに雲が流れている。
陸では味わえない、少々不安定ながらも気持ちの良い揺れ。
今、豊臣秀吉は舟遊びで海の上にいる。
「秀吉様、そろそろ戻りましょう。大名たちが待っております」
「よしわかった!船を戻せ」
少し名残惜しいが、その舟遊びの時間も終了。
船は陸へと戻っていった。
戻った秀吉を出迎えてくれたのは、様々な国の大名たちだった。
「出迎えありがとう。ほれ、これはお礼だ」
秀吉は、諸大名に饅頭を手渡して回った。
「おっ!これは美味い!」
「おいしい饅頭だ!」
諸大名が次々と饅頭に口をつけていくなか、ただ一人端をかじっただけの男がいた。
四国の大名、長宗我部元親だった。
元親は、饅頭を家臣のもとへ持って行った。
「お前たち!これは天下の秀吉様が、その手で渡してくださった貴重な饅頭だ!心して食えよ!」
そう言って、家臣たちに饅頭を分け与えた。
「元親!お前、なんて家臣思いなやつなんだ!」
秀吉はそんな元親を見てとても喜んだのだった。
元親、なかなかいいやつですね~。
正直、食べかけの饅頭貰っても…ですが。
確かに、秀吉からの株を上げるには良いかもですね。