十四番槍 兄弟たるもの支え合え!
今回は有名な逸話です。
というか…偽話…?
あとがきがメインかも…。
「毛利両川完成!これで毛利家も安泰だ!」
こちらのお殿様は毛利元就。
毛利家安泰のために全力を注いだ、知略を駆使した戦国武将。
(1497~1571)
「おーい!隆元!元春!隆景!ちょっと来い!」
元就は、自分の3人の息子たちを呼び寄せた。
毛利隆元・吉川元春・小早川隆景の3人である。
元春は吉川家、隆景は小早川家の養子として後継ぎとなっている。
「いいか!この先お前たちは決して争ってはならん!いつでも兄弟として支え合い、協力するのだ!」
元就が息子たちに言った。
はいっ!と返事をした息子たち。
そして、元就は話を続けた。
「ここに一本矢がある。これはお前たち一人一人だ。だが…この矢は…簡単に…!ふんっ!あれ?ふんっ!」
バギッ!
元就は矢を折ってみせた。
「はぁ、はぁ…。か、簡単…に…折れ…折れてしまう…」
元就息切れ中。
5分後…。
「ふう…。もう大丈夫だ。話の途中だったな。一本の矢は折れやすい。だが…三本合わせると、頑丈になり折れなくなる!お前たちもこの矢のように3人合わさって協力していくのだ!」
「はいっ!(あれ?一本でも折れにくくなかった…?)」
3人同時に返事をした。
「でも、三本も矢使ったら三倍早く矢が尽きちゃう…」
「あぁ?おい隆景、何か言ったか?」
「ひぃ~!な、何でもないです!」
元就の息子3人は決して争うようなことはしなかった。
毛利元就の「三矢の訓」でした。
一本の矢は弱くもろいが、三本合わせると強い頑丈な矢になる。
っていうあれですね。
しかしですね、これ。
毛利家の史料のどこ探しても出て来ません。
早い話が作り話なんです。
イソップ寓話や中国の故事に似たようなものが出てます。
多分、それが元ネタになってるんだと思います。
さらに、江戸時代に流行った朱子学。
これが教訓を作るのが得意だったらしいです。
で、日本で三矢の訓が当てはめられる丁度いい人が元就だった。
そんな感じでしょうかね?
簡単に言うと、「兄弟仲良くしなさいよ」と言うことを教訓としたい。
そのために何か具体例が欲しい。
よし!三矢の訓だ!元就だ!
みたいな感じ。
まあ、結果として毛利・吉川・小早川は争いませんでしたし。
教訓にするには持ってこいだったんでしょうね~。
因みに、本文の最後の「三倍早く矢が尽きる」は「妖精大戦争」でのスターの台詞なんですが…。
恐らく、この小説を読んで頂いている独身者様の中に東方好きな方はいらっしゃらないですよね…。
場違いなネタでした…。
illustration:五円玉様
characterdesign:丸様
有難うございます!
上杉姫虎仕事しろ~!(笑)