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百十二番槍 トロイ木馬

甲府の街を観光してきました。


武田信玄ゆかりの地巡りはなかなか楽しかったです。


近々彼女たちに旅に出てもらいましょう。



本当は上田城と川中島の予定だったんですが…。

「ん…。トイレ…。厠…」


とある日の夜中、12歳の勝千代は夜中にトイレに行きたくなり寝室を出た。


勝千代…。後の武田信玄である。


月明かりを頼りに廊下を進む。


今宵は満月。

歩くのには不便無い明るさである。


勝千代は、皆を起こさないようにゆっくりと歩いた。



「勝千代!おい勝千代!」


すると突然呼び止められた。


ビクッと背中を震わせた勝千代だったが、すぐに声の主を探し始めた。


辺りに人は無し。


「聞き間違えかな」


わざと声に出して呟き、再び厠を目指して歩き出した。


「これ勝千代!」


やっぱり声がする。


勝千代は声がする方を見た。


そこには、月明かりに照らされた木馬が一つ置いてあった。


どうやら、声の主は木馬であるようだ。


声の出どころを突き止めた勝千代に、木馬は質問を浴びせた。


「これ勝千代!聞くところによるとお主、本ばっかり読んでるようじゃないか!刀の稽古はちゃんとやってるのか?」


何かと思えば説教かよ…。


こちらとトイレ行きたいというのに…。


「あ~やってるよ!ちゃんとやってるから!」


ぶっきらぼうに返す勝千代。


「本当か?ちゃんとか?」


「ああ…。なら、俺の刀さばきを見せてやるよ!」


そう叫んだ刹那、勝千代は刀を抜き木馬に切りかかった。


「ちょっ!まっ…ウギャー!」


突然の叫び声に家臣たちが集まりだした。


「勝千代様?どうしました?」


「ん~?この辺に何かいない?探してみ!」


家臣にそう指示を出した。


しばらくすると…。


「狸がいましたよ」


そんな報告が入った。


「そうか!よしよし!」


それだけ言うと、勝千代は厠へと向かった。

武田神社宝物殿の中で知った逸話です。


木馬に化けた狸を切ったお話。


出展は甲陽軍鑑ですって!


武田神社宝物殿に実物の甲陽軍鑑ありまっせ。



サブタイトルは人に切られる程トロい木馬とトロイの木馬をかけてみました。


トロイの木馬ってなんだっけ…。

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