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百九番槍 河の童も討ち取りましょう

乙葉

「徳川家康が食べ過ぎたって言われてる天ぷらありますよね?あの天ぷらを揚げた油って『カヤ油』って言うんですよ!」


晴美

「カヤ油…?」


由佳

「カヤという木の実から取れる油です。香ばしい天ぷらになるんですよ!」


晴美

「家康…贅沢ですね」


乙葉

「天下人ですからね!」

九州、球磨川。


この川に人ではないものが住み着いてから、もう何年経っているのだろう…。


人ではないといっても、魚などではない。


その大群を見て、魚と思う人はいないだろう。


最初はごく僅かな数がひっそりと暮らしていただけだと聞いたが…。


今では大群。


その数、9000。


こいつら、周りの畑とか荒らすんだよな…。


駆除したほうがいいのかな…。


川の中で楽しそうにキャッキャとはしゃいでいる大群を、河原の土手に腰を降ろしながら眺めていた加藤清正だったが、溜め息混じりの声を出すのが精一杯だった。


「はぁ…。何でこんなに増えちゃったんだろ…。……河童…」



この辺りに昔から住んでいた河童が、最近になって大繁殖。


数は9000を超え、畑を荒らすようになったため、清正は頭を抱えていた。


しかしそれ以外はとくに何もしなく、清正は腹を立てながらも具体的に行動をおこしたりはしていなかった。


しかし、そんななか事件は起きた。


先日、清正お気に入りの小姓が川で泳いでいたところ、一匹の河童がその足を引っ張り、溺れさせたのだ。


この報告を受けた清正は怒り狂った。


「わしの可愛い小姓に手を出すなど!もう許してはおけぬ!野郎共出陣せよ!敵は河童だ!」


そう言って、清正が出陣したのは山。


河童がいるのは当然川。


何故山に…?


家臣たちが疑問に思っていると、清正は命令を出した。


「猿を捕まえよ!河童は猿が嫌いだ!見た瞬間凍りつくぞ!」


清正の言うように河童と猿は犬猿の仲ならぬ河童猿の仲。


そこで、猿を引き連れての出陣をすることにしたのだ。


そして、お供に猿を連れていよいよ河原に到着。


相手は川の中。


水中の敵に攻撃するために有効な手だては…。


少し考えた清正は、すかさず命令した。


「焼け石を投げ込むのだ!さらに、上流から毒を流せ!」


これには河童もなすすべが無かった。


すぐに河童の群のボスが清正のもとに謝罪にきた。


「俺らの仲間が溺れさせてしまったこと、申し訳ありません!ですから、どうか!どうか攻撃を止めてください!」


喋った!という驚きを隠し、清正は答えた。


「まぁ、あの小姓もビックリしただけだったようだし、今回は許そう。今後、イタズラは禁止だ!」


「はいっ!群のやつらにキッチリ聞かせておきます!」



それ以来、河童がイタズラすることはなくなった。

加藤清正の河童退治でした。


あ…河童…。


別の小説も書かなきゃ…。ヒロインが河童の…。

「人間社会にようこそ!」ってやつですよ(宣伝)



河童に効く毒って何だろ…。


謎の多い逸話でした~。


河童…いるなら友達になりたいですね~!

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