九十九番槍 あれ?一枚足りない…
晴美&乙葉
「百番槍を前に、あとがきでついに公開します!」
由佳
「?何をですか!?」
晴美&乙葉
「私たちの絵です!」
由佳
「はうぅ~…。いいなぁ~…」
晴美
「ん~。先生のも、そのうちに描いていただけますって!多分…」
乙葉
「あ、そういえば!百話記念作品にもあとがきに挿絵を追加しました!」
毎度毎度、五円玉様には感謝感謝です。
「オレの宝物は、この10枚のお皿なんだぜぇ~!」
キッチンで大切そうに、皿を戸棚にしまうのは加藤嘉明。
加藤孫六の名でも親しまれている。
彼が大切にしているのは「手塩皿」。
南京製の、10枚1セットの皿である。
大切なお客さんが来る時、この皿を出していた。
それほど大切な皿だったのだが…。
「あっ…!」
ガッシャーン!!
「ああっ…!ど、どうしよう…」
家臣が手を滑らせて、手塩皿の一枚を割ってしまった。
「あああ…。う、打ち首だ…」
死を覚悟した家臣。
「あれ?一枚…二枚…三枚………九枚…一枚足りない…」
キッチンにやってきた嘉明は、積んであった手塩皿の枚数に違和感を持ち数えはじめ、そして一枚足りないことに気付いた。
もうダメだ…。
キッチンに居たの、オレ一人だし。
絶対打ち首だ!
隠しきれないと思った家臣は、白状した。
「ごめんなさい!オレが一枚割ってしまいました!この命を持って償います!申し訳ありませんでした!」
目を閉じて、死刑宣告を待った。
しかし…。
ガシャーン!
聞こえたのは、嘉明からの死刑宣告ではなく、さっきも聞いた皿が割れる音。
恐る恐る、顔をあげてみた。
そこではなんと、嘉明自ら残った9枚の皿を割っている姿があった。
「と、殿!それは…宝なのでは!?何故割って…」
驚いた家臣が聞いてみた。
「ん~?この9枚が残ってると、これを見るたびに思い出すからお前は他の連中にイヤミを言われるだろ。だったら、お前が辛い思いをしないために、全て無くしちゃえばいいんだよ!」
そう言って笑った。
家臣は心から嘉明に感謝したのだった。
番長皿屋敷風味でした。
私、どんな話か知らないんですけど多分こんな感じですよね!?
あの皿屋敷に出てきた身投げされたと言われている井戸、実在します。
嘉明は七本槍の一人です。
武勇に優れた一面もありながら、家臣を思いやる気持ちも持ち合わせていた武将でした。
さて、ここからは挿絵でも。
五円玉様提供 村上乙葉。
五円玉様提供 焙烙晴美。
「なんでキャラデザまで人に任せるんだよー!」って散々文句言われましたよ…。
まぁ、私が言ったのって「乙葉は黒髪ポニーテールね!あとは適当に」でしたから。
そして、この五円玉様の絵を見て描いた、上杉姫虎さんの絵。
上杉姫虎さん提供 村上乙葉。
体とかは適当に描いて!っていう注文で描いてくれました。
上杉姫虎さん提供 焙烙晴美。
上杉姫虎さん提供 村上乙葉(和服ver)
乙葉を戦国時代の人と勘違いした上杉さんが、真っ先に描きだしたのがコレ。
あやつ、この小説を読んだこと無いので…。