十一番槍 鳴くまで待った狸様
今回はあの狸親父です。
ずる賢さが全面に出た逸話となっております。
「おー何だ?やるのか?俺は家康様の家臣だぞ?あ~?たかだか一向宗のぶんざいでよぉ~?」
「んだとぉ~?テメェ、ただじゃおかねぇぞ!」
「はっ!やれるもんならやってみやがれ!」
「やってやるよ!一揆だ!一揆だ!」
ここは三河の国。
家康の家臣と一向宗とのイザコザが起きた。
それをきっかけに、一向宗は家康が嫌いな連中と共に一揆を起こした。
「家康様!我らが有利にございます!あとは奴らが籠城する寺を落とせば我らが勝利!」
家臣が家康に報告した。
「よしっ!そうか!ならばもう大丈夫だな…」
少し安心した家康だったが…。
そこに、家臣がやってきた。
「報告!一向宗より和睦の申し出が!『寺は以前と同じようにする』というのが和睦の条件だと…」
「な…。不利なのは貴様らではないか!その様な条件、決して飲めん!」
家康が言うことはもっともだった。
暫くすると再び家臣がやってきた。
「報告!織田信長様より、早く戦を終わらせろとの主旨のお手紙が!」
それを聞いて困った家康。
「ぬぅ~…。戦の勝利は目前…。しかし信長殿の命令とあっては逆らえん…。仕方ない!和睦じゃ!」
家康は、相手の有利な条件で和睦した。
しかし…。
「寺をぶっ壊せ!」
それが家康からの命令だった。
「なっ…!何すんだ!寺を以前のようにするのが和睦の条件じゃないか!約束を破る気か!?」
一向宗から文句がでた。
「ほう…。以前…ねぇ。寺が建つ以前は野原だったんだから、その通りにしたまでだよ!」
「くそっ…。狸めが…」
一向宗は悔しがった。
家康の家臣がおこしたイザコザで、一揆が起きた。
(イザコザの詳細は知りません…)
一向宗&家康嫌い組対徳川軍の戦いが始まった。
激戦の末に寺に追い詰められた一向宗。
そこで、和睦を求めた。
一向宗にとって寺は大切な場所だったのでしょう。
条件は「寺は以前のようにすること」だった。
つまり、寺には手を出すな、ということだった。
家康は、信長から早く戦を終わらせろという指示を受けていたので、この条件を飲んだ。
しかし、戦が終わると家康は、寺を破壊した。
家康曰わく、「寺が建つ以前の野原に戻した」。
屁理屈でしょ!
家康は忍耐力だけでなく、ずる賢さもずば抜けていたのかも知れませんね。
そうでもないと天下は取れないのかな…?
というわけで、家康の屁理屈な逸話でした。