通算百話記念! 大独眼竜決起集会
乙葉
「通算百話のお祝いに、五円玉様が小説を書いてくださいました!」
晴美
「ありがとうございます!この小説にはない、フィクションのギャグだな!」
由佳
「多分、唯一とも言える史実無視の作品になるでしょうね!たまにはイイですよね!?」
乙葉
「それではそろそろ…。本文に行きましょうか!」
乙葉&晴美&由佳
「五円玉様!ありがとうございます!」
東北独眼竜組。
戦国時代の世の中で、主に東北を根城に活動する、いわゆる「ヤ」の集団。
「よぉし、じゃあ今から東北独眼竜組の決起集会を開くッ!」
東北は奥州、東北独眼竜組の事務所でもある米沢城。
今ここに、東北を代表する独眼竜組の幹部達が集まっていた。
【伊達政宗】
米沢城天守閣。
「よく集まったなお前ら。まぁ初めて集会に参加するヤツもいるだろうから一応名乗っておく」
東北独眼竜組集会中。
「俺は東北独眼竜組は総長の伊達政宗だ」
伊達政宗。
右目の視力が極端に弱く、右目のみコンタクトをしている武将。
「お前らはもう知ってると思うが、今俺ら東北独眼竜組はかなりの資金不足に陥っている」
伊達政宗は腕を組み、仁王立ち。
「理由は簡単だ。お前らが暖房ばっか使うから電気代がハンパねぇんだ。特に南部! お前寝る時も暖房掛けっぱだろぉッ!」
伊達政宗の一喝。
それに反応したのは、東北は津軽の統括を任されている独眼竜組は幹部の1人、南部晴政。
「南部、お前昨日も暖房掛けっぱだろッ?」
伊達政宗のお叱りに、南部はおずおずと反論。
「あの~、すんません。でも南部領は東北の中でも一番の北国で……その……寒さが一段と……」
「知らねぇな! お前名字南部だろ! 南って暖かいんだろ? だったら暖房使うんじゃねぇよッ!!」
「そ、そんな理不尽な……」
南部晴政は独眼竜組の幹部ながら、かなり気が弱い性格。
「……よし影綱、明日から津軽への電力供給量を50%削減の方向で」
伊達政宗の言葉に、政宗の側近かつ独眼竜組副総長の片倉影綱は無言で頷いた。
「ちょ……か、勘弁して下さいよ総長! 電力無いと南部鉄器が造れない……」
「そこは気合いで何とかしろや!」
「総長ぉ~……」
【佐竹義重】
「はい次! 会津の佐竹ッ!」
「はいッ!」
半分泣きながらも電力供給量カットの案を呑んだ南部。
そして次に伊達政宗から指名されたのは、会津を統括する佐竹義重。
ちなみに佐竹も独眼竜組幹部。
「佐竹、お前最近北陸毘沙門天組に内通してるって話を聞くんだが?」
北陸毘沙門天組。
それは、東北独眼竜組と抗争状態にある北陸の「ヤ」の集団。
ちなみに毘沙門天組の総長は上杉謙信。
「佐竹、ぶっちゃけどうなんだ?」
伊達政宗の問に、佐竹は静かに頷いた。
「……軍神万歳」
「佐竹お前腹斬れ」
ガバッと床の間から刀を取りだし、鞘から刃を抜き出す。
「ちょ、総長落ち着いてっ!」
何故か仲介に入る南部晴政。
「なんだ? お前佐竹をかばうの?」
「あ、いえ……その……」
「だったら黙ってろッ!!」
「は、はいっ!」
……一方の佐竹は黙ってうつ向いたまま。
「……佐竹よぉ、お前はアレか? 独眼竜より毘沙門天取るのか?」
佐竹の顔前まで行き、刃をちらつかせる伊達政宗。
一気に空気が冷えた。
佐竹は相変わらず無言。
「……佐竹ェッ!!」
伊達政宗が叫んだ。
その叫びに南部ビクビク。
「……拙者は、貴方が嫌いなのです」
そして、佐竹はゆっくりと口を開いた。
「貴方はいつもいつも拙者にコンタクトの手入れを任せ、しかもコンタクト切れたら薬局へ買いに行けとパシりに使う」
「…………」
「まだコンタクトの手入れくらいならまだしも、最近は眼帯の手入れまで。拙者は貴方の右目ではないのですよ」
「右目は俺だ」
ボソッと呟く影綱。
「……佐竹よ」
そして政宗が一言。
「……打ち首」
【最上義光】
「……じゃあ次に最上、最近の大名達の動きを報告しろ」
「……はい」
政宗に指名され立ち上がったのは最上義光。
最近東北独眼竜組に入り、その実績諸々で早期に幹部入りを果たしたやり手の「ヤ」の人。
「……甲斐風林火山組と北陸毘沙門天組とでの間で行われている繁華街川中島の領地争いの件ですが、甲斐風林火山組総長つるっぱげの信玄が敵総長との一騎討ちを模索している模様」
すらすらと用意してきた資料を読む最上。
「なるほどなぁ……上杉と武田が川中島に夢中とあれば、上杉の後ろをつけるかもしれねぇ」
「どこのBA〇ARAだよそれ……」
「アアッ!?」
「あ、すみません……」
そして資料の続きを読む最上。
「次に尾張。マフィア第六天魔王ファミリーと駿河今川会の争いですが、オダノブナガが駿河今川会の本部、今川義元のアジト(桶狭間)に進行、シャバ代他25億もの金を巻き上げでトンズラしたとの情報が」
「25億……資金不足のウチにとっちゃ、すげぇ額としか言い様がねぇなぁ」
「金じゃ、金をまくのじゃあ!」
「…………最上?」
「……って、どこの本願寺だよってね」
「…………」
「…………」
「…………」
「……おほん。最後に少し遠いですが中国」
最上、冷や汗。
理由、政宗真っ赤(怒)。
「中国? ああ、毛利辺りが石見の銀山でも取ったのか?」
「あ、いえ。最近中国で毛沢東が……」
「リアルチャイナッ!」
政宗は刀を片手にご乱心。
「ってか毛沢東て……もっとあとの人では?」
影綱だけが1人冷静だった。
【片倉影綱】
片倉影綱。
東北独眼竜組副総長にて伊達政宗の側近、影のツッコミ役。たまにボケる。
性格は無口、男気を背中で表現するような奴。
趣味はアイドル追っかけ。
影綱ラブisお市48。
「……影綱、お前また姉川まで行ってライブ見てきたのか?」
「……いえ、今日は姉川ではなく賤ヶ岳まで」
「…………」
翌朝、米沢城。
朝帰りの影綱。
背中のリュックには、大量のポスター。
政宗、あきれ顔。
「……お前なぁ、仮にも独眼竜組の副総長なんだぞ? 身分をわきまえ、下の者への手本になるべくだな……」
「……すみません総長。今日はお市48のプロデューサーでもある、浅井長政氏が出演すると聞き、ファンとしてはいてもたってもいられず……」
「いや、趣味は人それぞれだ。ただ俺が言いたいのは、そんなポスターひっさけで朝帰りなんかしたら、お前を慕う部下に顔が立たないぞっつー事を……」
「ちなみに今日はマネージャーの柴田勝家氏によるお市裏トークなんかもありまして、本当にファンにはたまらないステージでした」
「うんわかった。だからな、副総長としてそれなりの行動を俺はお前に……」
「一緒に行った北陸毘沙門天組副総長の直江兼続氏はお江派らしいのですが、やはり私はお市ご本人が一番だと思います」
「いや知らねぇから、ってかお前今何て言った? お前誰と行ったって言った?」
「あ、そう言えばステージ会場で中浦ジュリアン氏にばったり遭遇しましてな、リスボン土産を頂いて参りましたぞ!」
「誰だよジュリアン!?」
「ついでに坂本龍馬さんともばったり」
「もう時代が違うよぉッ!」
「坂本繋がりで坂本冬美さんや坂本真綾さん、坂本昌行さんなんかもライブ会場にいらしてました」
「いるわけねぇだろ! 皆さん芸能界で大忙しだわッ!」
「あとそうだ! 会場で直江氏と蒲生氏、北条氏との四人でグッズ販売のブースに行った時、偶然にも児玉清さんと藤田まことさんにばったり遭遇しまして……」
「そこまで昔じゃねぇよそのお二方! ってか世界観のベクトル考えろッ!」
「あと聖徳太子もゲスト出演致してまして……」
「だから今戦国時代! 聖徳太子いないのっ!」
「豪華にも聖徳太子ーズ総出演でした!」
「聖徳太子ーズって!? 何その裂けるチーズみたいなネーミング集団?」
「メンバーは吉田茂、田中角栄、佐藤栄作、鳩山一郎、鳥羽一郎……」
「そこは普通中大兄皇子とか中臣鎌足とかじゃないの!? ってか最後総理に混じって大物演歌歌手混じってない? どんな集団なの聖徳太子ーズ!?」
「あとは……あ、そうそう。岡品さんにも遭遇しましたよ! 岡品谷津さん」
「それはミスターさんの他の小説の人! ってかいたのかよッ!?」
「あとは……」
「もういいよッ!」
コントかっ。
【伊達政宗2】
「……ったく、独眼竜組の将来が心配になってきた……」
政宗、お風呂中。
ジャンプーで頭ゴッシゴシ。
「……ふぅ、やっぱり風呂は落ち着くな」
……その時。
「……あ」
シャンプー、左目に直撃。
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
その日から伊達政宗は、双眼竜となった。
「いや、ならねぇよッ!!」
中浦ジュリアンは、天正遣欧少年使節の一人です。
…説明も面倒なので、次の逸話で紹介します。
「岡品谷津」については、「我ら科学部!」参照…。
私がかつて書いた小説の主人公…。
さて、補足になってない補足も終わらせまして。
いかがでしたでしょうか!
五円玉様からのご提供でした!
お市アイドルネタとか、中浦ジュリアンとか…。
いや、アイドルと中浦ジュリアンが同時に出てくるとなんか…あらぬ方向に…行ってしまうのですよ。
某番組が…。
まぁ、そんなことはさて置き。
私、最初の電気代ネタ?とか好きですよ!
南部…(笑)
とにかく五円玉様!
ありがとうございました!
五円玉様から、挿絵もいただきました。
有難うございます!