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初依頼

ギルドで出会ったレイティアと一緒に初依頼を行いに向かうレイ。だが、湖には嫌な噂があるという。

 ギルドを出てから1時間くらいだろうか、

 湖の西側に洞窟を見つけた。

「あれか!」

「そう。あそこだよ。」

レイは少し興奮しているがレイティアは緊張しているように見えた。


二人で湖岸を歩き、洞窟の前まで着いた。

 洞窟に着くまで、すべて順調に進んだ。


「よし!さっさと集めちゃおう。」

レイは洞窟に入り、魔石を採取し始めた。


レイティアも少し遅れて魔石採集に取り掛かった。


二人とも順調に魔石を拾い続け、

1時間後には目標の量を採取し終わっていた。


「そろそろ、帰ってギルドに報告しよう!」

レイはレイティアに声をかけ、洞窟を出ようと入口に背を向ける。


 だが、帰路につこうとした、その時。


 水面が――波打った。


              ゴオォォォォォォォ


「なんだ…この地響きは…」

 レイが臨戦態勢を取る。


 レイティアが叫ぶ。

 「後ろ!!」


 「ギィィィアァァァァ!!!!」

 湖から黒く長細い手足を持った異形の怪物が現れた。

 その姿は禍々しく、赤黒い眼は4つある。

 (明らかにただの魔物じゃない。まさか…こいつは、魔族か…。)


「君!あ、えーっと、名前は?」

レイが剣を抜きながら聞いた。


「今そこ重要…。私はレイティア!私のことは気にしないで!」

レイティアは返答しながら剣に手をかける。



「わかった!レイティア!!ここは俺がなんとかするから!下がってて!」


「無茶よ!魔族は下位の悪魔でも(ゴールド)ランク冒険者の実力に匹敵するって言われてるの!」

レイティアはレイに忠告を促す。


それでもレイは臨戦態勢を解かず、鉄の剣を構え、盾を前に出した。


「心配しなくていい!俺は勇者候補だ。」

レイはそう言うと、魔族へ向かって走り出した。


「えっ…勇者候補……まさか…あなたが…!!」

レイティアは驚きと少しの安堵感を感じた。

(もしかしたら、彼なら…倒せるかも。(ゴールド)ランク冒険者に匹敵する魔族を…)


 ――初戦闘。


 剣がぶつかり、火花が散る。

 心臓の音がやけに大きい。


「これが戦闘の重圧か。前戦った魔物とは比べ物にならないな。」

レイがつぶやいた。


(魔族の体は鉄のように硬い。鉄の剣がぶつかって火花がでるなんて。それでいてこの圧。明らかに俺と互角か、それ以上。俺の技能は戦闘向きじゃない。けど、前も倒せた。それなら、今度も何とか…)


「あぶない!!!!」

「ドゴォォ」

レイティアの声が響くと同時、土煙が舞った。


「そ…そんな…。彼は…どうなった…の…」

レイティアが目を凝らす。


砂塵が舞い続ける。 


「はっ!!!!」

レイティアの目は土煙の中をうっすらとだが捉えた。


その光景は目を疑うようなものだった。


「ふう、中々、危なかった。でも…真っすぐ突っ込んでくるなんて、魔族は頭が悪いのか…?」

レイの剣は魔族の体を貫いていた。


(危なかったけど、急に魔族が動かなくなった…。そのすきに剣を突き立てられた…。

                         でも、なんなんだろう…。いったい…)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神界にて


「っ!!!!!」「!?」「……!」

始原神らが恐怖する。


(やつ)が…震えている…。」「世界の崩壊が…異分子の存在によって…加速する…」

「以前よりも深く…そしておぞましく…」


維持神ロギアが言う。

「やはり…この世に16の属性を生み出したのは間違いであったか。」


「あの失敗作の属性は破壊神ゼル=ロストが完全に破壊したはずだ。

 あれは世界に干渉し、滅ぼしかねない。あの三つの禁断属性(サタン・エレメント)

  無、魔そして時…。なぜ今になって…(やつ)が生まれ出る……。」


「一刻も早く、消さなければ…世界は消え去るだろう…。」


神々は決意した。

「一刻も早く、時の加護を身に宿す奴を、レイ・フェルロストを…滅せよ!!!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 「ギェェェェ」

(魔族の声が明らかに弱っている。やはり剣に貫かれると魔族もただでは済まないのだろう)


「悪いな、俺の勝ちだ。普遍技能(ノーマルスキル)・着火+普遍技能(ノーマルスキル)・風起こし、汎用技能(コモンスキル)・属性融合・改=超技能(ハイパースキル)火炎・旋風斬り!」


通常の着火や風起こしは細かい操作ができない人が案外多い。

居ても、主婦や家政婦など、日常生活で魔法を行使する者ばかりで冒険者には極端に少ない。

だが、レイは驚異的な魔法や攻撃ができない代わりに普遍技能(ノーマルスキル)を極めた。


通常、剣に魔法をまとわせることは至難の業、歴代の勇者くらいしか前例がない。

しかし、レイは細かい操作を極め、剣に魔法をまとわせることに成功した。


火が風にまとわりつく形で魔族の体に剣を通って流れる。

「ギャァァァァァ!!!」


魔族のおぞましい咆哮が響く。


「これで終わりだ!!」

レイは剣を包丁に見立てて魔族を切り刻んだ。


「火の通った食材は…もろいんだよ!!!!微塵斬り!!」


「ガアァ……」

魔族の体は寸分たがわぬみじん切りされた肉塊となった。


砂塵が晴れたころ、レイティアがレイの元に駆け寄ってきた。

「大丈夫?、ケガとか…してない…?」


「大丈夫だよ。ケガもない。それより…レイティアに聞きたいんだけどさ、

            これってギルドで換金してもらえたりしないかな?」

そう言うとレイは魔族の腕を見せる。


レイティアは笑いながら言う。

「いいけどその代わり、先に君の名前教えてくれないかな?覚えておきたいの」


「そういえば…名乗ってなかったね、俺はレイ。レイ・フェルロスト。勇者候補の一人だ」

レイはレイティアに微笑みながら伝えた。


「それはもう知ってるよ!そっか!レイっていうんだね!よろしくね!レイ。」

そう言うとレイティアが手を貸そうと腕を伸ばした。

 

夕暮れに染まる空を反射した湖は鮮やかなオレンジに変わり、湖を後にする二人を照らし出していた。


「ん……なんだ…」

レイは違和感を感じ湖を見る。


湖の奥で、何かが――

 じっと、こちらを見ている気配がした。

次回、勇者

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