ギルドでの出会い
湖畔の街エネに着いたレイは武器や防具を一新しギルドを目指す。
「ここが…ギルドか」
レイは道に迷いながらもギルドへと到着した。
この街のギルドは湖を見下ろす位置に建っていた。
中に入ると、酒と汗と革の匂いが混ざった空気が流れてくる。
(これが…ギルド…覚悟してはいたけど…酒臭いな…)
少し進むとカウンターに受付嬢がいた。
受付嬢はお辞儀をしゆっくり顔を上げた。
「いらっしゃいませ。ギルドへようこそ!ご用件はなんでしょうか?」
明るい声で要件を聞かれる。
レイは受付嬢の目を見て答える。
「冒険者登録をお願いします。」
「はい!冒険者登録ですね!かしこまりました!では、こちらへどうぞ!」
受付嬢の進む方へ付いていく。
「では、こちらの書類に記入をお願いします!その後に簡単な魔力検査を受けていただきます!
魔力が平均以上の場合、魔力量に応じて銅から銀ランクの冒険者としてスタートできますよ!」
手続きは簡単なもので、記入もすぐ終わった。
「では、魔力測定を開始いたします!こちらの受付嬢の手にレイさんの手を乗せてください!」
受付嬢の技能の鑑定により、魔力を測定するというものらしい。
この鑑定の技能はかなり優秀で、適切な職業もわかるという。
冒険者は近接系、遠距離系、支援系と分かれている。
適職が分かるだけでも、相当なアドバンテージだろう。
「はい。失礼します!」
レイは受付嬢の手に自分の手を乗せた。
「ん…?どうしたのかな…、鑑定が上手くできない…。」
受付嬢は鑑定できないことに驚きつつ申し訳なさそうに言った。
数分後、数回の鑑定も虚しく、魔力どころか適性職業すらわからなかった。
「お待たせいたしました。申し訳ありません、
レイさんの魔力量が不明だったためランクは鉄級からになります。」
レイの手に渡されたのは、鈍く光る鉄のプレート。
受付嬢は説明を続ける。
「これは身分証代わりにもなります。
王都や国立図書館に入るために必須なので無くさないようにお願いしますね!
依頼を受けたい場合は掲示板の下段から選んでください!」
その後、十数分はギルドの説明を受けた。
「ランクは依頼を熟していくと上がっていきます。一番下の鉄から鉄、銅、
銀、金、白金、虹という風になります!」
どうやら、ランクを上げるには依頼を熟すしかないようだ、一応、金から白金、白金から虹のランクへは依頼ともう一つランク上げ試験みたいなのもあるらしい。
「依頼の危険度は掲示板にある依頼書の難易度を参考にしてください!」
(難易度はF,E,D,C,B,A,S,SS,Z、鉄の場合はFが妥当といったところだろうか。)
「街での略奪や殺人、無断での依頼受注や報酬の返金などは禁止されております、ご了承ください!」
「承知いたしました!以上で説明は終わりですか?」
レイは受付嬢に尋ねる。
そのとき受付嬢は少し声を落として話しはじめた。
「最近、湖の方で……妙な噂がありまして」
「噂?」
レイは受付嬢の声のトーンが落ちたことに妙な違和感を覚えた。
「夜になると、水面が光る、とか。
巨大な影を見たという人もいます」
「魔物?ですか?」
レイは受付嬢に聞く。
「まだ本部からの正式な発表はありませんので何とも…。まだ依頼にもなっていませんし。」
レイはその言葉を胸に留めた。
(いつか、対峙する時が来るのだろうか…)
ギルド関連の説明も終わり、レイはさっそく掲示板へ向かった。
その足取りは妙に軽かった。
「えーっと。鉄ランクが受けられる依頼は…魔石拾い、緑魔討伐、薬草の採取か。少し無理をして難易度Dの依頼にすれば、小型魔獣の討伐とかがあるのか。」
(魔獣討伐をした方が人々の貢献になりそうだけど、初回だし無理しない程度にしておこう。)
レイは一枚の依頼書を取り受付嬢へ提出した。
「これ、お願いします!」
「さっそくのお仕事ですね!ありがとうございます!受注完了です!お気をつけて!」
「はい!行ってきます!」
レイが選んだ初任務は、魔石拾い。
洞窟内にある魔石を回収する、初心者向けの仕事だ。
レイは初任務ということもあり歩幅が短くなっていった。
そんなときだ。ギルドの入り口に向かう途中、
「一人で行くの?」
背後から、澄んだ声がした。
振り返ると、長く美しい黒髪をなびかせるロングヘアの少女が立っていた。
軽装の革鎧、腰には細身の剣をもっている。
「私も同じ依頼なんだけど…
……もしよかったら一緒に行かない?」
それが、後にレイの旅に深く関わる存在――
レイティアとの出会いだった。
「私もさっき登録したばかりで、少し緊張してたの。
さっきあなたが登録しているのを見て、一緒に行ってくれないかなって思って。」
レイティアは少し恥ずかしそうに言った。
彼女は湖の方をちらりと見る。
「最近、湖の空気も変だから、ちょっと怖かったの。
魔石を拾う洞窟が湖の近くにあって。受注した後に気づいたから断りづらくて…。」
少しの沈黙の後、
「わかった!一緒に行こう!」
レイはレイティアに言った。
「ありがとう!お願いします!」
レイティアは嬉しそうにレイに言った。
次回、初依頼




