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074 暴虐

 ――王都ミルドゥア内 グランドキングホテルの一室


 ここはラザーナ帝国皇帝クバロットが聖ブライスト学園に勤務するために仮宿として借りている王都内でも一二を争う超高級ホテルの一室。王室と変わらないほどの内装とサービスが売りの老舗ホテルだ。


 そんな中、部屋の一角に置かれた玉座のような豪華な椅子に座る一人の男がいた。

 金色の髪を中央から流すように分けた優男風の男性。クバロット・ラザーナ皇帝その人だ。


 足を組んでふんぞり返るように座っている皇帝の足元には、ひれ伏すようにして一人の女性が控えている。


「何をしている、脱がさんか」


「仰せのままに」


 女性はそう言うと顔を上げる。

 その顔はフェイスヴェールで隠されているが、目元の様子から相当の美人であることが誰にでも想像できる。


 女性は手を伸ばすと、皇帝の足先に触れ、履いている靴をゆっくりと脱がせる。

 そして次に靴下を脱がせ、皇帝を素足にした。


 すると皇帝は脚を組み替え、今度は逆の足を前に出す。

 そうすることが分かっていたのか、慣れているのか、女性は同じように靴を脱がしたあと靴下を脱がし、そうして彼の両足とも生まれたままの姿にしてしまった。


「ほらどうした。いつものように舐めろ」


 靴下を脱がした後、そのまま動きを止めた女性にしびれを切らし、皇帝クバロットは勅命を出す。


「仰せのままに」


 抑揚無くそう答えた女性は、少し前に出ると、口をすぼめて皇帝の足先へと口づけをする。

 それからぴちゃぴちゃという音と共に、彼女の舌が彼の指先を、指の隙間を、余すところなく舐め上げていく。


 そんな様子を満足そうに見つめる皇帝。


「フハハ、お前も従順になったもんだな、イヴリンよ」


「私のすべては皇帝陛下のために」


「苦労して躾けた甲斐があったというものだ。捕えたての頃はギラギラした目をしてたもんだがな」


「お手を煩わせてしまい申し訳ございませんでした」


「本当だぜ。なあっ!」


 急に語気を強めたかと思うと、足を彼女の顔に向け、器用にフェイスヴェールを指でつまんでそのまま足を動かしてフェイスヴェールをはぎ取ったのだ。


「お戯れを」


「お前がしたことを俺は忘れてはいないぞ? ついこの前、そうやって従順になったふりをして俺に毒を盛ったことをなぁ。おかげで俺は死にかけたんだ。スキルも思うように発動しないほどになぁ」


 ついこの前、時間的に言うと、ナオの【貢ぐ者】がカリーナ先生に移動してしまったころだ。ナオは酒に酔ったことで【貢ぐ者】がカリーナに移動したと思っているが、実の所は毒を盛られてクバロットが半死半生になったせいで、【貢ぐ者】の効果がおかしくなり、そのように至ったという事実がある。


「御身を危険にさらしてしまい、申し訳ございませんでした」


 深々と頭を下げるイヴリン。


「後ろを向け」


 皇帝が指示を出すと、伏したまま後ろを向く。

 尻を突き出している格好だ。


 ――パァン


 皇帝の足が振り抜かれ、尻が音を立てる。


「あの時は本当に辛かったぞ。意識はもうろうとするわ、尻からはフリーダムに流れ続けるわ……」


 ――パァン


「お許しください陛下」


 ――パァン


「フン。まあその分、お前も同じ目に合わせてやったがな。いや、俺の怒りも乗せていたからそれ以上だったかな。お前が今でも糞尿を垂れ流さざるを得ない状態だと知ったら、ちゆちゆのやつどう思うかな」


「それは……」


「喜んでくれるさ! 見ただろ、アイツの顔。お前を見ただけで青ざめて、ゲロ吐きやがった。せっかく捕まえて調教したのに、再開を喜ぶどころか心の底から嫌われていたなぁ。喜んでくれなくては困るよなぁ。そうでなければお前の存在する意味がない」


「……」


「お前が尻から垂れ流す女だとアイツが知った時の反応が悪かったら……お前を殺す。いくら俺がお前を手元に置いておきたいとはいえ、生きている必要は無い。その時ははく製にしてコレクション部屋に置いてやるよ」


「……」


 イヴリンは頭を下げたままだったが、その体は小刻みに震えている。


 ――パァン


 「ひうぅっ!」


 皮膚が奏でる音と共に尻からブシュッと液体が噴出する音が出て、辺りがホカホカとしてくる。


「冗談だ。せっかく生きたまま手に入れたんだ。むざむざ殺すかよ。まぁ、たとえ四肢が無くなったとしても、生きてさえいればいいんだけどなぁ」


 その後も彼女を叩く音が何度も響き渡り、いつの間にかイヴリンはピクリとも動かなくなっていた。


「あぁ、後三日か。待ち遠しいな。それで俺はちゆちゆから生きる意味を奪える。そのあと一体どうなるのかなぁ。ハーッハッハッハ!」


 皇帝の高笑いと共に、夜は更けていった。

お読みいただきありがとうございます。

暴虐の限りを尽くすクバロット。それもこれも、ナオへの歪んだ想いが引き起こした事。


ちなみに(急な話題転換)ナオは酒に酔ったから【貢ぐ者】が移動したと思ってますが、実際はスキル受信アンテナであったクバロット側に原因がありました。


さてさて、クバロットに打ちのめされたナオの様子はどうなっているのか。

次回をお楽しみに。

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