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046 第5章プロローグ

「さて、今日の授業はここまでだ。あー、そうそう、配ったプリントだが、家庭訪問の事が書いてある。きちんと親御さんに見せて、日を決めるように」


 ある日の授業終わりのこと。

 俺は教室内で真面目に授業を受け終えた三人の教え子に向けてそう言った。


 年間行事の一つとして行われる家庭訪問の時期がやってきたのだ。

 担任教師が生徒の家まで行って保護者と直接生徒の事について話をするというイベントなのだが、生徒の家ということで完全にアウェーの中で行われるため結構大変で、担当している生徒の数が多ければ多い程に困難度が増していくという教員泣かせのイベントなのだ。


 幸いなことに俺のクラスの生徒は3名。

 日程が重なることさえなければ問題なくこなせるだろう。


 3人がプリントに記載された内容を読み込んでいる。

 と、思うと、そのうちの一人、メル・ドワドがプリントにペンを走らせ、カリカリカリと記入したかと思うと立ち上がり――


「はい、クランク先生」


 と言ってプリントを差し出してきた。


「はい、じゃなくて、親御さんと話をしないとダメだろ」


 プリントには希望日と参加する人を書いて提出することになっている。

 子供が勝手に日付を書いても、後々親御さんは知らなかったとなることがあるから、きちんと話をしたうえで提出しなくてはだめだ。


「大きな声では言いたくありませんが、うちに家庭訪問するのは無理だと思いますよ。私の家の事情、ご存じですよね」


 確かにメルは実家に望まれて学園に通っているわけではない。

 とは言え、家庭訪問なら受けてくれるのではないかと思ったが……甘かったんだろうか。


「そんな顔しないでください。私はクランク先生が辛い目に合わなくて済むので、よかったって思ってますから。それじゃあアルバイトに行ってきますね」


 そう言って、小さな体は教室を後にした。

 手元に残ったプリントには『不参加』と書かれていた。

お読みいただきありがとうございます。

プロローグが短いので、本日は2話更新します!

19時に次話を更新予定!

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