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三百年越しの戦い 〜開闢の英雄、久遠の願い〜  作者: 雲になりたい
一章 一年生編
8/18

第七話 入学準備

短めですさーせん

宿に帰ったアヌ達は、教科書を買うための準備を始めた。何を準備するのか?勿論大きなカバンだ。座学のある教科が十種類もあるのだ。それだけ教科書の種類は多い。


全ての教科書を置いている本屋はないため、何箇所かの本屋を回らなければいけないが、流石王都と言ったところか、街中を歩けばすぐに本屋が見つかる。


「今更なんだが、この街ってユーピテルって名前になってるんだな」


「勇者様に敬意を表して名付けられたそうよ」


「・・・ふーん」


「何だアヌ、そんな微妙そうな顔して」


「別に何でもない」


「・・・いや、なんかはあるだろ」


「・・・ない、ほら、本屋見つけたぞ、行くぞ」


アヌは会話を終わらせて本屋に入る。

最終的にその本屋では六種類の教科の本を手に入れることができた。だが、六種類とは言っても、全ての教科が教科書だけを買えば良いというわけではない。資料集や、問題集なども買わなければいけないため、六冊に留まらず、いきなり大量の本を買うことになっていた。


「・・・重い」


「そうかしら?私は結構余裕だけど?」


「お前と一緒にするな、ゴリラ」


「な、な、何ですって〜!?もう一度言ってみなさい?あなたはあなたの首を締めてあげる!!」


「お、おい、落ち着けって・・・はぁ・・・いつもは俺がツッコまれてるのに・・・ツッコむ側って大変だったんだな・・・」


セルヴァは仲裁に入りながらも何かを悟った様に、ホロリと涙を流す。


「しょうもないことは置いておいて」


「しょうもないって何よ!」


アヌは華麗にスルー


「次の本屋行くぞ」


最悪、何件回っても全て見つからない可能性もあるため、アヌ達としては次で最後にしたいところだった。



           *


天はアヌ達に味方してくれたらしく、何と二件目で全ての教材を買い終えてしまった。


「ふぅー、運が良かったわね」


「普段の行いがいいからだろうな」


「私のね!」


そんなロザリアをアヌはジト目で見る。


「な、何よ・・・」


「嫌がる幼馴染を無理やり訓練に参加させて、逃げれば気絶させて強制参加。どこが行いが良いのか教えて欲しいもんだ」


「え、お前そんなことやってたのか?」


「いや・・・それは仕方がないというか何というか・・・私に見合う男になって欲しいというか・・・」


「他に友人を作れば良いじゃないか、ということだよな。作らないくせに俺を自分の友人として見合う男にしようとするんだから・・・お前と友達になりたいやつなんてごまんといるぞ」


すると、ロザリアは少しショックを受けた様な顔になる。


「・・・お前、鈍感なんだな」


「は?」


アヌは意味がわからない、という顔をしていた。セルヴァはロザリアの肩を優しくポンポンと叩く。


「もう嫌・・・宿、帰る・・・」


「ん?ああ、そうだな、教材も多いしな」


「お前、いつか女に刺されそうだな」



           *


宿に戻ったアヌ達は、とりあえず明日の予定を立てることにしていた。入学式は明後日なので、明日はこの街を観光することにしていたのだ。

入学してしまえば忙しくていつ観光できるかわからないとのことだったため、今行くことになっていた。


「・・・ということで、明日行くのは『ユーピテル像』、『ユーピテル博物館』、『ユーピテル歴史博物館』、『国立・ユーピテル遊園地』etc・・・」


アヌとセルヴァは聞くだけでゲンナリしていた。ロザリアが行く場所を考えてきた、とのことで取り敢えず聞いてみたが、全てユーピテルに関することだけ。横丁とかもっと回れば良いのに、と、セルヴァは思ってしまう。


「・・・異論は?」


「異論は?」の後には省略されている言葉がある。簡単に予想はできる。「ないよな?頷け」と言った命令形だろう。

と、いうことで、残念ながら強制的にユーピテルに関する所巡りをすることになった。聖所も回るらしいので、骨が折れそうである。


そしてセルヴァはアヌに「ここの観光名所ってユーピテル様に関係あるところだけだっけ?」と聞いたため、「他にもあるが・・・行くのは諦めた方がいいだろうな」とアヌが答えると残念そうな顔をしていた。


どういう所に行ったのかは皆さんの想像にお任せします。

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